最近2chに私のメールがコピペされたので、こっちで返答してみます。2chに返答乗り込むのも良いんですが、スレに書き込むよりこっちのほうがガチに書けるのでwww
同人=利益を上げてはならない、とか「利益を前提とした同人活動=同人ゴロ」って、誰が考えついた思想でしたっけ?
「同人活動で利益を上げてはならない」という話の出所は、ざっと2種類考えられます。
1:二次創作同人活動では、権利侵害をフェアユース的な意識にとどめるために原作者の商業活動(=ビジネス)を阻害してはならない
2:同人活動は趣味であり、趣味で利益を上げることはとんでもない
で。
1.のほうは「資本主義社会(=同人世界の外部の政治経済的枠組み)に照らしてロジカルに理解できる」話です。
実は織姫の話の枠組みを検討する段階で、商業創作者の方にもいくらか相談してます:やはり「同人オペラ」となるとあまりに規模が大きすぎ、利益を上げる云々以前の問題として原作者には相談してほしいという話が聞こえてきました。最初期のメモには「君望オペラ」という構想も上がっていましたが、(そもそもageは音楽二次創作不可?という話を別にしても)やはり二次創作の大規模オペラはやめにしておこう、というのがこちらの構想です。
……東方ならまたべつの枠組みで可能かもしれませんけどね。
2.のほうが根は深いのかな。というかこいつは「思想」レベルの話だと思うので、「趣味で利益を上げてはならない」という話は正しい正しくないの話とは違うような気がします:どちらの考え方も「考え方」としてはアリです。「私はその考え方に同意しないが、あなたがそれを主張する権利は全力で保障する」というやつです。
#このへんはとある同人作家と議論したことがあります。究極的に「同人は自分のやりたいことをやるための場だから、何をやってもいいんだよねい・間違っているとは言えない種類の話でしょう。……というか「利益」って何ですか?(笑
うちは昔からこんなことを言ってきました:「長期的に活動するという視点において、赤字前提での作品創作は(一般論として)良いとは言えない」と。先日とあるマイミクの日記にもコメントした話と繋がりますが、私の場合創作活動の前提として「長期的に&シリアスに作品を練り上げる」ことを常に意識しています。ひとつの作品を創るとその次の作品に繋がり、さらにその先へ繋がるという流れでもあります。ということで、うちは「趣味で利益を上げる」ことには好意的であり、むしろ自分は「作品頒布価格は(今後の活動に繋げる程度の)利益を上げられるように設定しなければならない」と考えて活動しています。
大規模活動にお金がかかるのは皆さんご理解していますよね?片霧烈火オーケストラライブ(同人音楽史上最大級のプロジェクト)があの値段でペイするはずもないでしょう:在京プロオケの演奏会チケット価格を参照。あのライブは全席埋まればやっとぎりぎりペイ?、というくらいの金額だと思います。
もしもボックスに「もしも同人活動で利益を上げる人がいないとしたら」と言い放ったとたん、片霧烈火オーケストラライブは消滅します。アレはふだんの活動利益を留保しているからこそできるイベントでしょう。
……そして、おそらく数多くの大手サークルが消滅します。ほとんどの大手サークルは利益を上げることを前提とした枠組みを組んでいると考えています:「どーじんは趣味なんだからどこの大手サークルも利益は上げていませんよ?」と思いこんでいる人、そこの崖から一歩前へ。
#「同人バブル」で検索すると、1990年代(=バブル経済華やかなりし頃)の逸話が次から次へと出てきます。
#どのくらいの金額の利益を上げるか、という話はまた別問題。
もちろん創作活動全体(もしくは他の手段でも)で資金に余裕を持てば赤字覚悟で作品を創ることも否定しませんが、少なくともうちにそんな資金的余裕はありません。個人サークルが大手サークルではないことは皆さんご存知でしょうし、うちが学生なことはgoogle先生にお伺いを立てれば分かるはずです。一部の学生(=ベンチャーとか投資とかやってる人)はお金をがっぽり持ってますが、うちはそんな人じゃありませんwww
さらに言えば、織姫のような「長期継続を前提とする組織」では「他人の資金の余裕に期待して活動する」ことが「システム的に許される」はずもありません。「団長が個人的に出資して活動するのが当たり前である」というカルト宗教的(ここ織姫的な文脈で強調:笑)な思想には同意しかねます。
というわけで2chでの本題。
織姫、というか私が同人ゴロですか。なるほど。同人プロデューサーって、みなさん同人ゴロ扱いされますよね。ひぐらしの矢野さんといい、蒼天の雪のLUFT(隙間)さんといい。
織姫周辺のネットワークもプロデュース機能を持ち始めているので、そういう定義で言えば私は典型的な同人ゴロですな(笑
プロデューサーのいない同人音楽世界にどんなことができるか、想像してみてください?あの有名作品も、あの有名作品も、あの有名作品も……消滅しますよ?「同人プロデューサー」自体が悪だという思想に、私は共感できません:少なくとも同人音楽世界では正常に機能している概念です。
私が係わった作品の(生産コストのみを考慮した)利益率設定は平均で40%かそこらです:この利益から売れ残りリスクの検討やイベント参加経費、収録経費まで出してます。萌えさいと。作品でも演奏モノは1収録セッションに3万~4万飛ぶのは当たり前ですし、特に織姫交響楽団作品は収録や演奏会コストがシャレになってません:「天使~」は収録とリハーサルだけで30万以上のお金が投入されてますし、第0回定期も15万くらいは飛んでるはずです。これが織姫の現実。
もし私が同人ゴロでお金儲けを目的にするなら利益率70%とか付けますよ(笑……てゆーか織姫作品では赤字回収を考えると冗談抜きにそのくらい付けたいのが本音ですがwww
私は、同人音楽文化を面白くするために何ができるか、ということをベースに動いています。そろそろ同人オケだって動かせる時代だろうし(オータムリーフ管やCLOSED/UNDERGROUNDの実例を参照)、同人音楽評論は確かに必要とされていました(DJ TECHNORCH 「読む音楽」も参照)。
同人オケは一歩早かったみたいですけど、CLOSED/UNDERGROUNDから生まれたオケ作品があの状態ということは、まだまだ同人オケの可能性は試し切れていないはずですよ?
あと、腕前/レベルのこと。
……いまの織姫のレベルでも、純粋にアマオケとして見ればそこまで下手でもないと思いますけどねぇ?もっとアレなオケを聴いたことも何度もありますし。同人関係で言うなら、「天使~」の前奏曲(第0回定期のCDにも入ってますな)のヴァイオリンソロをTAMさんと比べてみてくださいよ?……と開き直ってみます。
演奏系同人音楽がなぜいろいろな意味で厳しいかっちゅーと、同人関係の場合「打ち込み」(原理的に間違えることはない!&サウンドも簡単に整えられる)が基準だからだと思ってます。First Sounds準備会が最後まで解決できなかった問題の一つですな。
……クオリティの高い作品以外出すな、って?なるほど。
多分、そうなったコミケは都産浜松町の1フロアで開催できてしまうでしょうね。私は、「クオリティの低い作品であっても発表する場が平等に与えられることで、文化の頂点を高めることができる」という信念を持っています。宗教的な信念だとは思いますが、破防法を適用されるほどの危険なカルト宗教でもないと思いますしwww
実際、底辺が分厚い文化ジャンルは「頂点」が高いレベルに来るんですよね。たとえば日本におけるピアノやヴァイオリン:海外の音大では、多数の日本人が先生として教えているという事実があります。イタリアなら歌。
まあ、ぶっちゃけ。
織姫にケンカ売るなら、そういう同人オケを創ってみてください。これまで織姫に攻撃を仕掛けてきた方の中には、「(個性が濃厚な織姫に参加するよりも)自分で楽団を作ったほうが面白いんじゃないの?」というタイプの方もいらっしゃいました。
いまの織姫交響楽団がそういう切磋琢磨に耐えられる状態だとは私も思っていませんが、レベルの高いオケが生まれればあえて織姫がオケ活動やる必要性も無くなってくるという話もあったり。……ただ、そこがオープンに外部の依頼にも応える楽団でなければ、織姫は「(物理的に可能であれば)オープンに誰の依頼でも引き受ける」というところで存在価値が発生してしまうということは申し上げておきます。
#うちのRealfantasyもFS支援もオータムリーフ管参加もそうなんですが、基本的に自分の活動には「誰もやっていないことをやる」というベースラインがかかっています。
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