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病原性大腸菌の毒性検査法開発6月28日 6時1分
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食中毒の原因となる病原性大腸菌の遺伝子を調べ、毒性の強さを短時間で判別する検査法を千葉大学のグループが開発したと発表しました。
症状が悪化する前に適切な治療を行えるようになるということです。
細菌学が専門の千葉大学の野田公俊教授らのグループは食中毒の原因となる病原性大腸菌が増殖する仕組みを「O157」の大腸菌を使って詳しく調べました。
その結果、感染した細胞を破壊する毒素を出し、高い割合で腎臓の障害や脳症などを引き起こす大腸菌は、いずれも特殊な酵素を持ち、免疫細胞の一種が侵入した細菌を攻撃する際に出す一酸化窒素を分解していることが分かりました。
さらに、感染した細胞で一酸化窒素が減ると、通常の2倍から3倍の毒素を作り出すようになったということです。
去年、ヨーロッパで39人の死者が出た病原性大腸菌「O104」でも同じ酵素が働いていることを確認したとしています。
グループでは、この結果を基に酵素や毒素を作り出す遺伝子があるかどうか調べ、大腸菌の毒性の強さを2時間程度で判別する検査法を開発したということです。
野田教授は「重症化のおそれがあるタイプかどうか分かれば、症状が悪化する前に適切な治療を行えるようになる。早急に検査の実用化を目指したい」と話しています。
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