また割りで兄弟子に手伝ってもらい悲鳴を上げる大砂嵐=愛知県稲沢市の大嶽部屋宿舎で
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初のアフリカ出身力士として注目され、夏場所を7戦全勝で序ノ口優勝したエジプト生まれの大砂嵐(20)=大嶽=が、序二段に上がった名古屋場所(7月8日初日、愛知県体育館、中日新聞社共催)での2場所連続優勝へ、ラマダン(断食月)の壁が立ちはだかっていることが、27日分かった。
今年のラマダンは、13日目の7月20日から。約1カ月にわたり、日の出から日の入りまで飲食が禁止される。水も飲めない。大砂嵐は「1日5回の礼拝は欠かさない」という敬虔(けいけん)なイスラム教徒。「エジプトではラマダン中もスポーツジムに通っていた。水が欲しいと思う時はあるが、ノープロブレムだ」と話す。だが、大嶽親方(元十両大竜)は「顔色や様子をうかがって異常があればストップをかけます」と心配顔だ。
今のところ、調整は順調。愛知県稲沢市の宿舎周辺は水田に囲まれていて「モスキート(蚊)がすごい。かゆいよ」と思わぬ“難敵”に悪戦苦闘だが、それでも兄弟子で三段目の右肩上、玄海鵬と互角の稽古。「幕下ぐらいまでは順調に上がっていくだろう」と大嶽親方は目を細める。蒸し暑い名古屋の夏。2場所連続優勝へ敵は自分自身かもしれない。 (竹尾和久)
▼大砂嵐金太郎(おおすなあらし・きんたろう) 1992年2月10日、カイロ生まれの20歳。189センチ、145キロ。大嶽部屋所属。16歳から相撲を始め、エジプト無差別級王者、世界ジュニア選手権無差別級3位。2011年8月来日。今年春場所で初土俵、7勝0敗で序ノ口優勝。趣味は水泳、乗馬、パソコン。
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