“吉野家”新社長、高卒バイトからトップに!現社長と似た者同士

2012.06.27


吉野家HDの河村泰貴次期社長(左)。安部修仁社長は会長に就く【拡大】

 牛丼チェーン大手の吉野家ホールディングス(HD)の次期社長(9月1日付)に就任することが決まった河村泰貴氏(43)。高卒アルバイトからトントン拍子に出世を重ね、トップの座に躍り出た。20年ぶりに社長の椅子を明け渡す現任の安部修仁社長(62)もバイト出身で、2代続けて異例の大出世を遂げたことになる。

 「置かれている環境は危機的状況にあると認識している。吉野家のブランドイメージをしっかり立て直す」

 26日に行われた社長就任会見で河村氏は力を込めた。「すき家」「松屋」と熾烈(しれつ)なシェア争いを繰り広げている吉野家。持ち株会社の会長となり事業会社の社長に留まる安部氏とともに、河村氏は劣勢を強いられている同社の経営再建を担う。

 40代という若さもさることながら、注目を集めるのはその経歴だ。

 「高校卒業後、5年間吉野家のアルバイトとして現場で接客業務を経験し、1993年に入社したたたき上げ。現任の安部社長も同様の経歴の持ち主で、2代続けてのバイト出身社長となる」(同社関係者)

 2004年から赤字続きだった傘下のうどん店チェーン「はなまる」の取締役を務め、黒字化に成功。経営手腕は折り紙付きだが、現任の安部社長とは「バイト出身者」以外にも共通点がある。

 「河村氏は、奥田民生や吉田拓郎など有名ミュージシャンを輩出した県立広島皆実(みなみ)高校出身。自身もかなりの音楽好きで、リズム&ブルースを愛聴している。安部社長も同じくリズム&ブルースのバンドを結成してプロを目指した過去がある。同じ音楽好きということでウマが合うのでは」(同)

 バイト出身社長では、中古本販売チェーン大手の「ブックオフ」の橋本真由美氏(63)=現会長=がいるが、2代続けての起用は異例中の異例。苦労人社長が、牛丼戦争を制するか。

 

注目サイト