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飲酒、個人の強要ない 商大調査委が報告書

2012年06月28日

■小樽商大調査委 死亡事故報告書
■「暗黙の約束事」指摘

 小樽商科大(小樽市)のアメリカンフットボール部員9人が急性アルコール中毒となり、1年生の男子(当時19)が死亡した事故で、大学の調査委員会は27日、酒を飲ませた側について「個人を特定できるような明確な飲酒の強要はなかった」としながらも、暗黙の約束事を実践していたなどとする内容の報告書を教授会に提出した。報告書の内容について26日、死亡した学生の遺族に大学関係者が説明。同大によると、遺族は「強い不満をもらしていた」という。

 調査委は学生の懲戒理由を精査するために全部員90人から話を聴いたが、「強要があった」と答えた1年生はいなかったという。だが、2年生以上の部員からは「断ることのできない雰囲気があった」という説明もあった。このため、「誰が誰に」という因果関係が明確に分かる飲酒の強要は確認できなかったとしている。死亡した学生の飲酒量や介抱がどのように行われていたかなどについても、部員たちから具体的な証言は得られなかったという。

 一方で報告書は「大学構内で慣行として続いてきた飲み会で、上級生から酒の供応を『進んで受ける』という暗黙の約束事を実践していた」と指摘。「極めて不適切な行為といえる」とした。

 27日、記者会見した山本真樹夫学長は「具体的な特定はできなかったが、アメフト部の組織として、進んで飲むことを良しとする雰囲気があったことは報告書からもわかる。今も一種の強要だと思っている」と説明。調査委員長の大矢繁夫副学長は「尋常ではない飲み会であり、一種の強要の仕組みが出来上がっていたという認識だ」と述べた。

 また、山本学長は27日の教授会で「アメフト部を廃部としたい」という報告をしたが、廃部の結論には至らなかったという。

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