基本は『三段構成』――今さら聞けないビジネスメールの書き方

さて、一口にビジネスメールと言っても、「相手に自分から送信するのか、返信するのか」、「社内向けか、社外向けか」、「初めての相手か、二度目以降なのか」など、状況に応じて様々な書き方が存在します。とりあえずここでは、最もフォーマルな書き方が要求される「社外」の「初めての相手」に向かって「送信」するという状況を想定して紹介します。

さて、ビジネスメールは、基本的に以下のような3つのブロックによって文章が構成されます。

1. 前文

2. 本文

3. 末文

前文では「相手への挨拶とメールを送った目的の説明」、本文では「メールの用件の具体的内容」、末文では「締めの言葉を書く」というのが普通の流れです。それでは、各ブロックごとに確認していきましょう。


■ 1.前文

前文では、相手への挨拶とメールの趣旨を書きます。ただし、その前に必ず相手の宛名を書きましょう。

宛名

株式会社〇〇

△△部××課長 山田 太郎 様

上のように会社名と肩書き、そしてフルネームの本名を敬称つきで記すのが基本です。名字のみしか書いていないメールもしばしば見かけますが、基本的にはビジネスメールにおいて丁寧すぎて問題になるということはありません。ちなみに、会社など団体に当てて書く場合なども多いですが、その場合は以下のページを参考にするとよいと思います。

無料メール文例集》電子メール・書き方・敬語・設定・宛名・例文・例・雛形・サンプル

挨拶

宛名を書いたら改行ボタンを押して、次は挨拶です。ビジネス文書のように時候の挨拶を書く必要はありませんが、いきなり要件に入るのはいささか不躾です。一応、定型として下の2パターンを覚えておくと便利です。

好印象のビジネスメール挨拶文・宛名 - [SOHO・在宅ワーク]All About

初めてメールを出す先なら→突然のメールで失礼いたします。

二度目以降なら→いつもお世話になります。

それ以外の書き方としては、以下のサイトに書かれている定型文が参考になります。相手との距離感に応じた、失礼のない表現を選びましょう。

挨拶の言葉

挨拶のあとには、自分の肩書きと名前を名乗ることも大事です。また、こちらからメールを送る場合には、そのあとに「○○させていただきたく、メール致しました」などのように、メールを出した目的を簡潔に記しましょう。ちなみに、下のページでは、回答が欲しい場合には「お返事をいただけたら幸いです」などの言葉を挟むことも推奨しているようです。

メールの基本的な文章構成|ビジネスメールの教科書


■ 2.本文


本文を書く際に忘れてならないのは、これがあくまでもビジネスにおけるやり取りであることです。それ故、簡潔で読みやすい書き方を心がける必要があります。

まず、ここで注意しておきたいのが、以下の二点。

  • 30字程度で改行して、読みやすい文面にする。
  • 相手が返信の際に困るような、余計なことを書かない。

30字程度で改行して、読みやすい文面にする

ビジネスメールの書き方

1行30文字ぐらいで改行し、3-4行毎に1行分のスペースを入れましょう。この場合、ビジネス文書で段落を行うような改行個所を目安にするとよいです。

ネット上のビジネスメール指南のページを見てみると25字~40字程度まで様々な意見があるようですが、基本的には30字前後を目安にして、適当に文節が切れる箇所で改行するのが一般的です。

相手が返信の際に困るような、余計なことを書かない

好印象のビジネスメール挨拶文・宛名 - [SOHO・在宅ワーク]All About

ビジネス上の連絡とはいえ、そこは人間同士がやり取りするもの。自分がメールを出すに至った経緯を軽く説明したり、相手の心に響くような言葉を書くことで、親しみやすいメールを心がけるのは大事なことです。

ただし、そこでどうでもいいことを長々と書き連ねるような「馴れ馴れしい」メールになってしまっては、かえって逆効果です。上のサイトでは、そんな「馴れ馴れしいメール」のありがちな文例について注意を促しています。「自分の家庭の事情」や「自分の能力をことさらに卑下した文章」のような、相手が返信するときに困るような話を書くのは控えるべきです。

本文を書くにあたっては、内容を具体的かつ簡潔に記すことを心がけましょう。日時や用件は箇条書きにしてしまっても構いません。ただし、自分がメールを送り付ける相手は、多忙な時間の合間を縫ってわざわざ自分のメールを読んでくれているのだという事実に配慮して、丁寧に文章を書きましょう。


■ 3.末文


ビジネスメールのテンプレートサンプル【結びの言葉】|メールのコミュニケーションを学ぶことができるサイト[Colta/コルタ]

本文で必要な用件を伝えたあとは、ここはサラリと済ませてしまって構いません。毎度毎度締めの言葉に困っているという人は、上のサイトを参考にしてみましょう。ただし、ここでちょっとした余談を挟み込むことで、相手に親しみを持ってもらうテクニックもあります。

気付かずに失敗してる!? ビジネスメール術 (Excite Bit コネタ) | エキサイトニュース

さらに、このHさんは対クライアント向けの心遣いとして「余談」をあなどれないポイントとして挙げていた。用件は「簡潔に、わかりやすく」がモットーだが、メールの末尾にさりげなく「最近、ご結婚されたそうですね。おめでとうございます!!」とか「出張で◯◯へいくことになりました。おいしい店とか知ってたら教えてください」などなど、ちょっとした余談で無味乾燥になりがちなメールのやりとりに「親しさ感」を出すようにしているとのこと。これは相手との関係にもよるだろうが、うーむ、見習うべきところはあるかも。

無味乾燥なメールよりは、相手にとって親しみの湧くメールである方が良いのは言うまでもありません。挟み方を考えるのが難しければ、「追記」という形で、最後に置いておくのもアリです。


■ 注意すべき点


件名の書き方

必須!的を射たビジネスメールの件名 :: INSIGHT NOW!

件名はメールのファーストインプレッション。特に初対面の相手に向かって書くときには、ここに気をつけることが重要です。

上の記事では、ビジネスメールでの件名の書き方について、「具体的に書く」「文字数は20文字程度」「『緊急』などを付記して注意を促す」「タイトルだけで用件を伝えることも可能」と、4つのポイントに分けて具体的な例を挙げています。ぜひ参考にしてみてください。

署名について

最後に署名を入れておくのは、ビジネスメールの基本マナーです。通常のメールソフトやWebメールサービスでは、署名の自動貼り付け機能が入っているので、設定しておくと便利です。

署名のテンプレートとしては、以下のページがはてなブックマークにはあります。

メールの署名(シグネチャ)テンプレート【シンプル署名】|メールのコミュニケーションを学ぶことができるサイト[Colta/コルタ]

メール署名ネット|テンプレート

メールサインデザインコレクション

ただし、あまりにも奇抜なデザインの署名は、場合によっては失礼に当たることがあります。TPOを考えて使い分けましょう。ちなみに、こちらのページでは、「自己紹介用」、「クライアント用」、「面識のない人用」、と3つの状況に応じて署名を使い分けることを推奨しています。

署名は情報発信スペース|ビジネスメールの教科書

敬語の使い方

ビジネスメールを書きながら、敬語をどこまで使ってよいものか判断に困った経験のある人も多いと思います。あまりにも慇懃無礼な内容になってしまうのも困りものですが、基本的には丁寧すぎて困るということはあまりないと思います。敬語に自信のない方は、下のページのような、その使い方を簡単に解説しているサイトや本などを参考にすることをお薦めします

無料メール文例集》電子メール・書き方・敬語・設定・宛名・例文・例・雛形・サンプル

ことばのレシピ語楽 敬語の調理法 お品書き

気持ちが伝わる敬語の使い方

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