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「性犯罪は魂の殺人」最高刑求める　少女連れ去り裁判員裁判で求刑

2012年06月20日　11:41
　わいせつ目的で少女を連れ去り、暴行したとして集団女性暴行致傷罪などに問われた、山形市中桜田、無職丹羽正訓被告（39）の裁判員裁判の論告求刑公判が19日、山形地裁であった。被害者参加制度に基づき、矢数昌雄裁判長が「卑劣な被告を決して許しません。娘はずたずたに傷つけられた」と被害者の母親の意見を代読。被害者側代理人の弁護士は「性犯罪は『魂の殺人』と言える」とし、法定の最高刑を求め、検察側は懲役10年を求刑した。判決は21日に言い渡される。

　「被害者参加弁護士」を務めた遠藤凉一弁護士は、山形市西部で事件に遭った被害者の代理人として、証人尋問、被告人質問、量刑に関する最終意見陳述を行った。被告には「あなたの妻や妹が同じ目に遭ったらどう思う」と質問。丹羽被告が「（犯人を）殺してしまいたいと思う」と答えると、「被害者家族も同じ思いです」と述べた。最終意見陳述では「何の落ち度もない被害者は将来、幸福な家庭を築く権利を奪われた。一生癒えることのない被害者の傷と同等の苦しみを与えるべきだ」とした。

　矢数裁判長は、被害者の母親の心情に関する意見を代読。「人並みの結婚をしてほしいですが、娘は男性と正常な交際ができなくなりました。心の傷は（弁償の）お金では治りません。生涯社会に出てこないようにしてください」との陳述書を読み上げた。

　論告で検察側は、5月末に1人目の被害者に対する犯行で目的を達せず、1カ月後、山形市西部で再び犯行に及んだ点を挙げ、「連続的で卑劣な犯行」と指摘。結果は重大で、「女性を暴行したいという根深い性的傾向があり、再犯の恐れが高い」とした。弁護側は最終弁論で、従属的な役割で、被告はわいせつ行為をしておらず、女性暴行は未遂だったことを強調。懲役3年、執行猶予5年が相当で、保護観察を付け、社会内での更生を図るべきと主張した。

　起訴状によると、丹羽被告は清野浩二被告（31）＝分離審理＝と共謀し、11年6月25日午後9時ごろ、山形市西部の路上で、アルバイト先から帰宅途中の少女を暴行する目的でミニバン後部座席に押し込んで連れ去ったとされ、車内で無理やりわいせつな行為をし、首を捻挫するけがを負わせたなどとしている。

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