東京電力:原発輸出撤退 輸出モデルに黄信号
毎日新聞 2012年06月28日 02時30分
家電や自動車産業が新興国に追い上げられて国際競争力を失う中、1基の建設費が数千億円に上り、特殊技術の集合体である原発は「日本が世界最高水準の技術を維持する数少ない分野」(経済産業省幹部)とされる。日本は、関西電力が加圧水型と呼ばれる原発を運転しており、現在の商業用原発で主流の技術のいずれにも対応できるのが強み。政府は、建設だけでなく運転技術などのノウハウの伝授を付加価値として新興国から原発受注を勝ち取ろうとした。
しかし、国内は脱原発依存にかじを切っており、「輸出だけは例外」という理屈はただでさえ理解を得にくい。こうした中で東電が脱落すれば、日本の原発輸出の推進力は大きく落ちることになる。【宮島寛、和田憲二】