東京電力:原発輸出撤退 輸出モデルに黄信号
毎日新聞 2012年06月28日 02時30分
東京電力が原発輸出から実質的に撤退することは、政府が描く「日の丸連合」による原発輸出モデルに黄信号がともることを意味する。政府は東京電力福島第1原発事故後も、原発輸出を経済成長に結びつける戦略を転換していないが、輸出競争力が低下すれば、「インフラ輸出」を軸とする成長戦略が崩れる可能性もある。
福島第1原発は災害想定の甘さから大事故を起こした。ただ、約40年に及ぶ原発の運転経験を持ち、チェルノブイリ原発事故後も新増設を続けた日本の技術力への評価は、新興国ではなお高い。特に東電は福島1号機のような初期型から最新の改良型まで、沸騰水型と呼ばれる原発を保有し、運転や機器の検査、補修などの技術の蓄積は世界有数とされる。