東海村臨界事故被ばく患者さんについて(第71報)




平成11年12月10日(金)
17:00        
東京大学医学部附属病院  



1.患者さんの臨床経過

  • 血圧:114/53mmHg(昇圧薬投与中)、脈拍数:120/分、
    呼吸数:30/分、体温:37.5℃(午後4時現在)。収縮期血圧の変動は、依然として続いています。高乳酸血症はやや改善しています。

  • 引き続き鎮静薬投与下、人工呼吸管理中です。

  • 末梢血中の白血球数は、1,100/mm3です(午前6時現在)。

  • 無尿が続いているため持続血液濾過透析を継続しています。

  • 放射線による腸管の障害と皮膚の障害は続いています。相変わらず放射線熱傷の創から大量の浸出液があります。このため、大量の輸液、血液製剤の輸血を必要としています。

  • 消化管からの出血(特に下血)と血球貧食症候群のために持続的に輸血を必要としています。

2.今後の治療方針

  • 持続血液濾過透析を継続します。

  • 引き続き、人工呼吸管理、感染症対策、栄養管理、輸液管理等のきめこまかな全身管理を行います。

3.その他

  • 昇圧薬投与により血圧、脈拍等のバイタルサインは維持できていますが、予断を許さない厳しい状態は変わりません。