東海村臨界事故被ばく患者さんについて(第69報)




平成11年12月8日(水)
17:00        
東京大学医学部附属病院  



1.患者さんの臨床経過

  • 血圧:141/43mmHg(昇圧薬投与中)、脈拍数:123/分、
    呼吸数:30/分、体温:37.0℃(午後5時現在)
    高乳酸血症が進行し、血液は酸性に傾いています。血圧の変動が更に大きくなり、循環動態の特徴から敗血症性ショックの進行が疑われます。

  • 引き続き鎮静薬投与下、人工呼吸管理中です。

  • 末梢血中の白血球数は、1,100/mm3です(午前6時現在)。

  • 無尿が続いているため持続血液濾過透析を継続しています。

  • 放射線による腸管の障害と皮膚の障害は続いています。相変わらず放射線熱傷の創から大量の浸出液があります。このため、大量の輸液、血液製剤の輸血を必要としています。

  • 上部消化管出血と血球貧食症候群のために輸血を必要としています。

2.今後の治療方針

  • 持続血液濾過透析を継続します。

  • 引き続き、人工呼吸管理、感染症対策、栄養管理、輸液管理等のきめこまかな全身管理を行います。

3.その他

  • 昇圧薬投与により血圧、脈拍等のバイタルサインは維持できていますが、一層、予断を許さない厳しい状態になりました。