東海村臨界事故被ばく患者さんについて(第62報)




平成11年12月1日(水)
17:00        
東京大学医学部附属病院  



1.患者さんの臨床経過

  • 血圧:131/69mmHg(昇圧薬投与中)、脈拍数:119/分、
    呼吸数:29/分、体温:37.2℃(午後4時現在)

  • 引き続き鎮静薬投与下、人工呼吸管理中です。

  • 末梢血中の白血球数は、7,700/mm3です(午前6時現在)。

  • 無尿が続いているため持続血液濾過透析法を継続しています。

  • 肝機能障害の程度は僅かながら改善しました。

  • 放射線による腸管の障害と皮膚の障害は続いています。相変わらず放射線熱傷の創から大量の浸出液があります。このため、大量の輸液、血液製剤の輸血を必要としています。

  • 消化管からの出血の量は減少し、程度も軽減しています(午後4時までに下血が176g、経鼻胃管より435g)。

2.今後の治療方針

  • 新鮮凍結血漿の大量投与と持続血液濾過透析法を継続します。

  • 引き続き、人工呼吸管理、感染症対策、栄養管理、輸液管理等のきめこまかな全身管理を行います。

3.その他

  • 昇圧薬投与下で血圧、脈拍、呼吸等のバイタルサインは比較的安定していますが、予断を許さない状態は継続しています。