東海村臨界事故被ばく患者さんについて(第61報)




平成11年11月30日(火)
17:00        
東京大学医学部附属病院  



1.患者さんの臨床経過

  • 血圧:136/74mmHg(昇圧薬投与中)、脈拍数:118/分、
    呼吸数:25/分、体温:36.4℃(午後3時現在)

  • 引き続き鎮静薬投与下、人工呼吸管理中です。

  • 末梢血中の白血球数は、12,700/mm3です(午前6時現在)。

  • 持続血液濾過透析法を継続しています。

  • 肝機能が極度に悪化し、肝不全の状態に陥りました。

  • 依然として放射線による腸管の障害と皮膚の障害は続いています。このため、大量の輸液、血液製剤の輸血を必要としています。

  • 相変わらず放射線熱傷の創から大量の浸出液があります。

  • 上部消化管からの出血量が増加しました(午後4時までに1,285g)。

2.今後の治療方針

  • 新鮮凍結血漿の大量投与と持続血液濾過透析法を継続します。

  • 引き続き、人工呼吸管理、感染症対策、栄養管理、輸液管理等のきめこまかな全身管理を行います。

3.その他

  • 昇圧薬投与下で血圧、脈拍等のバイタルサインは比較的安定していますが、肝不全による出血傾向がみられるようになり、一層予断を許さない状態となりました。