東海村臨界事故被ばく患者さんについて(第59報)




平成11年11月28日(日)
17:00         
東京大学医学部附属病院   



  • その後の循環動態は比較的安定しています。現在、昇圧薬を使用して、血圧:154/98mmHg、脈拍数:128/分(整)、呼吸数:28/分の状態です(午後4時)。

  • 呼吸状態も少し改善しました。

  • 自発呼吸があり対光反射もあり脳幹機能は維持されています。

  • 乏尿の状態が続いていますので、持続的血液濾過透析法を行っています。

  • 肝機能障害が悪化しました。これは心停止による幹虚血の影響と考えられます。

  • 放射線による腸管の障害と皮膚の障害が依然として重大な問題です。

  • 下血の量は減少し、その程度も軽減しました。(午後4時までに440g)。経鼻胃管からも出血が見られます(午後4時までに550g)。これは放射線による胃、十二指腸の出血性ビランによるものと考えられます。

  • 相変わらず放射線熱傷の創から大量の侵出液があります。

  • このため、大量の輸液、血液製剤の輸血を必要としています。

  • 依然として、重篤な状態が続いています。