東海村臨界事故被ばく患者さんについて(第58報)




平成11年11月27日(土)
17:00         
東京大学医学部附属病院   



  • その後の循環動態は比較的安定しています。現在、昇圧薬を使用して、血圧:115/71mmHg、脈拍数:150/分(整)、呼吸数:25/分(自発呼吸あり)の状態です(午後4時半)。現時点では、自発呼吸があり、対光反射もあり脳幹機能は保たれています。

  • 乏尿の状態が続いていますので、持続的血液濾過透析法を開始します。

  • 今までの検討の結果では、心電図等から急性心筋梗塞や肺塞栓などの急激な心停止に繁がる原因は否定され、ここ数日間の呼吸機能の推移の詳細な検討から、現時点では肺水腫による低酸素血症の進行及び血管迷走神経反射の関与が急激な血圧低下と心停止の原因として最も疑われます。

  • 腹水のドレナージ、循環、呼吸機能の再評価等を行い、積極的な治療を継続中です。