東海村臨界事故被ばく患者さんについて(第57報)




平成11年11月27日(土)
17:00         
東京大学医学部附属病院   



  • 本日、午前7時02分、突然、徐脈、伝導収縮解離が発生し、心停止状態に陥りました。直ちに、胸骨圧迫式心臓マッサージを開始し、用手的人工呼吸、諸種薬剤の投与、5回の電気的除細動等の蘇生術の実施によって8時14分洞調律に戻りました。

  • 現在、昇圧薬を使用して、血圧:102/66mmHg、脈拍数:150/分(整)、呼吸数:27/分(自発呼吸あり)の状態です。(午前10時)

  • 脳虚血の時間が長かったことが危惧され、現在中枢神経機能の評価を行っています。

  • 本日、午前6時の血液検査、動脈血ガス分析値等に異常値はありませんでした。

  • 心停止の原因は不明です。心臓の器質的な変化は否定され、高度の呼吸不全の徴候もありません。血管迷走神経反射の関与が最も疑われます。

  • 今後は、中枢神経機能の評価と全身状態のサポートを継続します。