東海村臨界事故被ばく患者さんについて(第48報)




平成11年11月18日(木)
17:00         
東京大学医学部附属病院   



1.患者さんの臨床経過

  • 血圧:136/88mmHg、脈拍数:120/分、呼吸数:22/分、
    体温:38.0℃(午後3時現在)

  • 引き続き鎮静薬投与下、人工呼吸管理中です。

  • 呼吸機能、腎機能、肝機能が徐々に低下してきています。

  • 末梢血中の白血球数は、12,400/mm3です(午前6時現在)。

  • 放射線による腸管の障害と皮膚の障害が、深刻な問題です。このため、連日、大量の輸液、血液製剤の輸血を必要としています。

  • 相変わらず放射線熱傷の創から多量の浸出液があります。本日、小範囲の熱傷面に培養ヒト皮膚の移植を行いました。

  • 下血が始まりました。大腸内視鏡検査の結果、放射線による小腸、大腸の多発するビランからの出血と考えられます。

2.今後の治療方針

  • 下血の治療に努めます。

  • 放射線熱傷創の感染防止に努めます。

  • 引き続き、人工呼吸管理、感染症対策、栄養管理、輸液管理等のきめこまかな全身管理を行います。

3.その他

  • 現時点では、血圧、脈拍等バイタルサインは比較的安定していますが、全身状態は更に一層厳しいものとなり、依然として予断を許さない状態が続いています。