東海村臨界事故被ばく患者さんについて(第37報)
平成11年11月7日(日)
17:00
東京大学医学部附属病院
1.患者さんの臨床経過
- 血圧:160/75mmHg、脈拍数:120/分、呼吸数:22/分、
体温:38.2℃(午後3時現在)
- 引き続き鎮静薬投与下、人工呼吸管理中です。
- 呼吸機能には大きな変化はありません。
- 腎機能障害は少し改善しました。
- 末梢血中の白血球数は、15,200/mm3です(午前6時現在)。
- 放射線熱傷の傷の状態は少し落ち着いてきました。
- 放射線によると思われる腸管の障害が、現時点での大きな問題の一つです。再度下痢便の量が増え、経鼻胃管からの排液量も増加しました(午前零時から午後4時までの間に両方を併せると2,440g)。腸管の明らかな通過障害はありません。
- 依然として、明らかな感染症の徴候はありません。
2.今後の治療方針
- 放射線熱傷創の感染防止に努めています。
- 引き続き、人工呼吸管理、感染症対策、栄養管理、輸液管理等のきめこまかな全身管理を行います。
3.その他
- 依然として予断を許さない状態が続いています。