東海村臨界事故被ばく患者さんについて(第27報)




平成11年10月28日(木)
17:00         
東京大学医学部附属病院   



1.患者さんの臨床経過

  • 血圧:110/71mmHg、脈拍数:122/分、呼吸数:15/分、
    体温:37.1℃(午後3時現在)

  • 引き続き鎮静薬投与下、人工呼吸管理中です。

  • 放射線被ばくによる腸管障害と考えられる下痢便が大きな問題となっています。本日は午前零時から午後3時までの間に1240gの下痢がありました。

  • 高い線量の被ばくがあったと推測される皮膚及び粘膜の障害はさらに悪化しています。

  • 腎機能障害が進行してきており、原因を調べています。

  • 呼吸機能には大きな変化はありません。

  • 赤血球と血小板の輸血をなお必要としていますが、造血機能は回復しつつあります。

  • 末梢血中の白血球数は、8,200/mm3です(午前6時現在)。

  • 移植片対宿主病の治療を継続しています。

  • 依然として、明らかな感染症の徴候はありません。

2.今後の治療方針

  • 放射線熱傷創の感染防止に努めています。

  • 移植片対宿主病の治療を継続します。

  • 腎機能障害の原因究明と腎機能管理に努めます。

  • 引き続き、人工呼吸管理、感染症対策、栄養管理、輸液管理等のきめこまかな全身管理を行います。

3.その他

  • 依然として予断を許さない状態が続いています。