東海村臨界事故被ばく患者さんについて(第24報)




平成11年10月25日(月)
17:00         
東京大学医学部附属病院   



1.患者さんの臨床経過

 基本的には昨日と大きな変化はありません。

  • 血圧:136/72mmHg、脈拍数:136/分、呼吸数:20/分、
    体温:37.5℃(午後3時現在)

  • 引き続き鎮静薬投与下、人工呼吸管理中です。

  • 呼吸機能には大きな変化はありません。

  • 投与薬物の変更や投与量の微調整によって腎障害の悪化を防いでいます。

  • 顔面、頚部、躯幹前面、右上肢の放射線熱傷創の管理が大きな問題となりました。最も被ばく線量の高かったと推測される右上肢の放射線熱傷の変化については、今後の推移を注意深く見守る必要があります。

  • 血小板の輸血をなお必要としています。しかし、赤血球についてはここ2日間は、輸血を必要としていません。

  • 末梢血中の白血球数は、12,500/mm3です。

  • 濃緑色の下痢便が3回ありました。

  • 移植片対宿主病の徴候はありません。

2.今後の治療方針

  • 放射線熱傷創の感染防止に努めています。

  • 移植片対宿主病の予防、早期予知と治療に努めています。

  • 引き続き、人工呼吸管理、感染症対策、栄養管理、輸液管理等のきめこまかな全身管理を行います。

3.その他

  • 依然として予断を許さない状態が続いています。