東海村臨界事故被ばく患者さんについて(第23報)




平成11年10月24日(日)
17:00         
東京大学医学部附属病院   



1.患者さんの臨床経過

 基本的には昨日と大きな変化はありません。

  • 血圧:126/58mmHg、脈拍数:126/分、呼吸数:12/分、
    体温:37.8℃(午後3時現在)

  • 引き続き、人工呼吸管理中です。

  • 呼吸機能、腎機能には大きな変化はありません。

  • 顔面を含めた上半身前面の放射線熱傷部の水疱化と表皮の脱落が持続しています。特に、最も被ばく線量の高かったと推測される右上肢の変化は放射線障害に特有のもので、今後の推移を注意深く見守る必要があります。

  • 血小板の輸血をなお必要としています。

  • 末梢血中の白血球数は、12,700/mm3です。(午前6時現在)

  • 移植片対宿主病の徴候はありません。

  • 濃緑色の排便が2回ありました。

2.今後の治療方針

  • 放射線熱傷創の感染予防に努めています。

  • 移植片対宿主病の予防、早期予知に努めています。

  • 引き続き、人工呼吸管理、感染症対策、栄養管理、輸液管理等のきめこまかな全身管理を行います。

3.その他

  • 依然として予断を許さない状態が続いています。