東海村臨界事故被ばく患者さんについて(第21報)




平成11年10月22日(木)
17:00         
東京大学医学部附属病院   



1.患者さんの臨床経過

 基本的には昨日と比べて大きな変化はありません。

  • 血圧:122/72mmHg、脈拍数:124/分、呼吸数:21/分、
    体温:38.4℃(午後3時現在)

  • 引き続き、人工呼吸管理中です。

  • 肺の状態は、X線写真上も機能的にも大きな変化はありません。

  • 中等度の腎機能障害は継続しています。

  • 両上肢、頚部、体幹の放射線熱傷部の水疱化が引き続き進行し、通常の熱傷同様の加療をしています。

  • 赤血球、血小板の輸血をなお必要としています。

  • 末梢血中の白血球数は、8,500/mm3です。

  • 排便はごく少量ありました。

2.今後の治療方針

  • 消化管機能の評価を進めます。

  • 移植片対宿主病の予防、早期予知と治療に努めます。

  • 引き続き、人工呼吸管理、感染症対策、栄養管理、輸液管理等のきめこまかな全身管理を行います。

3.その他

  • 依然として予断を許さない状態は続いています。