東海村臨界事故被ばく患者さんについて(第20報)




平成11年10月21日(木)
17:00         
東京大学医学部附属病院   



1.患者さんの臨床経過

 基本的には昨日と比べて大きな変化はありません。

  • 血圧:116/52mmHg、脈拍数:118/分、呼吸数:18/分、体温:38.3℃(午後3時現在)

  • 引き続き、人工呼吸管理中です。

  • 肺の状態は、X線写真上も機能的にも大きな変化はありません。

  • 腎機能障害はやや軽快しました。

  • 右前腕の放射線熱傷部の水疱化がさらに進み、通常の熱傷創とは異なる様相を呈するようになりました。しかし明らかな感染はありません。

  • 赤血球、血小板の輸血をなお必要としています。

  • 末梢血中の白血球数は、7,700/mm3です。

  • 38.0℃台の発熱がありますが、依然として感染源は不明です。

  • 排便はありません。

2.今後の治療方針

  • 消化管機能の評価を進めます。

  • 移植片対宿主病の予防、早期予知と治療に努めます。

  • 人工呼吸管理、感染症対策、栄養管理、輸液管理等のきめこまかな全身管理を行います。

3.その他

  • 依然として予断を許さない状態は続いています。