東海村臨界事故被ばく患者さんについて(第19報)




平成11年10月20日(水)
17:00         
東京大学医学部附属病院   



1.患者さんの臨床経過

 基本的には昨日と比べて大きな変化はありません。

  • 血圧:150/74mmHg、脈拍数:116/分、呼吸数:20/分、
    体温:38.0℃(午後3時現在)

  • 引き続き、人工呼吸管理中です。

  • 移植片対宿主病の徴候はありません。

  • 肺の状態は、X線写真上も機能的にも大きな変化はありません。

  • 腎機能障害は横ばいの状態です。

  • 放射線熱傷部の水泡化がさらに進みました。しかし明らかな感染はありません。

  • 赤血球、血小板の輸血をなお必要としています。

  • 末梢血中の白血球数は、7,200/mm3です。

  • 38.0℃の発熱があり、炎症の徴候はあるのですが、依然として感染源は不明です。

  • 下痢便が2回ありましたが、下血ではありません。

2.今後の治療方針

  • 移植片対宿主病の予防、早期予知と治療に努めます。

  • 人工呼吸管理、感染症対策、栄養管理、輸液管理等のきめこまかな全身管理を行います。

3.その他

  • 依然として予断を許さない状態は続いています。