東海村臨界事故被ばく患者さんについて(第17報)




平成11年10月18日(月)
17:00
東京大学医学部附属病院



1.患者さんの臨床経過

 基本的には昨日と比べて大きな変化はありません。

  • 血圧:128/60mmHg、脈拍数:124/分、呼吸数:18/分、体温:38.0℃(午後3時現在)
  • 鎮静薬を投与して、人工呼吸管理中です。
  • 肺の状態は、X線写真上も機能的にも大きな変化はありません。
  • 腎機能障害は横ばいの状態です。
  • 放射線熱傷部の水泡化が進みました。しかし明らかな感染はありません。
  • 赤血球、血小板の輸血をなお必要としています。
  • 末梢血中の白血球数は、8,300/mm3に増加しました。
  • 白血球の染色体検査から、増加した白血球は移植された血液幹細胞由来のものである  ことが確認されました。
  • 38.0℃の発熱がありますが、依然として感染源は不明です。
  • 排便はありません。

2.今後の治療方針

  • 移植片対宿主病の予防、早期予知と治療に努めます。
  • 引き続き、人工呼吸管理、感染症対策、栄養管理、輸液管理等のきめこまかな全身管  理を行います。

3.その他

  • 依然として予断を許さない状態は続いています。
  • 次回の会見は、21日(木)17:00に予定しています。
    なお、資料提供は毎日17:00頃FAXで行います。