東海村臨界事故被ばく患者さんについて(第16報)




平成11年10月17日(日)
17:00
東京大学医学部附属病院



1.患者さんの臨床経過

  • 血圧:130/58mmHg、脈拍数:120/分、呼吸数:12/分、体温:37.8℃(午後3時現在)

  • 鎮静薬を投与して、人工呼吸管理中です。

  • 放射線の影響によると思われる肺のX線写真上の陰影はやや増悪しました。しかし、酸素化能は比較的よく保たれています。

  • 腎障害は横ばいの状態です。

  • 赤血球数、血小板数の減少速度が緩やかになりました。

  • 白血球数が急激に増加し、移植した血液幹細胞の生着が確認されました。

  • 依然として明らかな感染源は不明です。

  • 下痢便がみられましたが下血はありません。

2.今後の治療方針

  • 移植片対宿主病の予防、早期予知と治療に努めます。

  • 引き続き、人工呼吸管理、感染症対策、栄養管理、輸液管理等のきめこまかな全身管理を行います。

3.その他

  • 抹消血幹細胞移植はこの患者さんの治療の一環であり、これが成功したからといって全てが解決した訳ではありません。

  • 依然として予断を許さない状態は続いています。



白血球数の推移

10/ 6(水)    600/mm3 第1回目末梢血幹細胞移植
10/ 7(木)   100 第2回目   〃  
10/11(月)     0  
10/15(金)16:00  300  
10/16(土) 0:00
 6:00
16:00
 600
1000
2000
 
10/17(日) 6:00 4800