中心市街地再生への道
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ＩＣＴの普及により情報の取得が容易にできるようになり、商業活動の活発なところ、衰退の歯止めが利かないところがわかるようになりそれを見ると全国の中心市街地の商店街が大きく分かれてきているように思います。
元気な商店街はなぜ元気か？
衰退している商店街はなぜ衰退するのか？ 沼津の中心商店街は誰が見ても衰退の歯止めが利かない状況です。
現象面だけを見ると・・・・・
１．建物の老朽化
２．顧客のニーズに対応した品ぞろえの不足
３．後継者不足による閉店
４．無料駐車場を有する郊外ショッピングセンターの台頭
以下あげればきりがありません。
こう言った中で再生への道筋は見出せるのかと言うのが私の課題です。
平成16年から沼津アーケード名店街の空き店舗対策を沼津市から委託を受け取り組んできましたが、この課題は単に空き店舗を埋めればそれでいいというような単純なものではなく、まちづくりと言う大きな視点で真正面に受け止めて取り組まざるを得ませんでした。
取り組みの過程で感じたことは「商業の再生で中心街が昔のように元気を取り戻すことはできない！」と言うのが私の結論でした。
当時日本政策投資銀行の藻谷浩介先生からいろいろお話をお聞きし、商業床が商圏に対して多すぎること、生産労働人口の激減により消費が確実に落ちていることを鑑みると沼津の中心商店街の商業床は30％〜50％減らさない限り共倒れになるという数値がすでに出ていました。
この実態を中心商店街で商業を営む方々、まちづくりで行政や公的機関に属する方々に知って頂き、早い時期に対策を講じていく必要性を提案いたしましたが、賑わいを創出することでまちの元気を取り戻すことができるという考え方が優先し、実態から目をそむけた有る意味で先送りの施策に拘泥した感は否めません。いわゆる応急処置です。
アーケード名店街だけでなく東海道線沿線で元気な商店街として名を馳せていた沼津仲見世商店街に陰りが見えてきたのが5年前。
今では抜本的な対策を取らなければならないほどの空き店舗の増え方です。
11商店街のほとんどが高い空き店舗率になっている実態を関係者はもう一度本気になって正面から向き合い対策を取る必要があるように思います。
ではかつての沼津市の中心街が元気で活気に満ちていた理由は何でしょうか。
それにはいくつかの要因がありました。
1. 公的機関が中心街にあったこと
2. 総合病院が中心街にあったこと
3. 高等学校などの教育機関が中心街にあったこと
4. 東部の事業所等が中心街にあったこと
5. 郊外店が無く沼津駅周辺に集中していたこと
6. 映画館始め各種催事が中心街に有り情報の発信基地であったこと
今はなくなってしまいましたがかつて沼津の中心市街地にあったものを列挙すればきりが有りません。
これらの都市を構成する主要機能がことごとく高度成長の過程の中で沼津市の中心街から郊外に移転され、結果商店街だけが取り残されたのです。
本来商業活動はモノの消費行動だけでなく居住性はもとより情報や人の交流、文化や教育など社会生活に深く関わりの有る多くのファクターがまちの中に有りその一部で有る訳で、まちの元気＝商店街の賑わいでは有りません。
そんな当たり前のことがすっぽりと抜けて中心街が活気が無い理由を商店街にだけに依存することはおかしい訳ですが沼津市の場合は商業が静岡県東部の中に有って抜きん出ていたためどうしても衰退が目に入ります。
恐らくこの現象は日本全国各地でそうだと思います。
中心市街地の活性化＝商店街の活性化にならない理由がここに有る訳です。
もし昔の用に中心街の商業を復活させたいと語るなら郊外に離散した都市機能をもう一度中心市街地に戻し、郊外に乱立するショッピングセンターを全て無くせば中心市街地の商業は復活するでしょうが誰もそんなことは望んでいない訳です。
全国で中心街が元気だとされる事例を見ると商業によってではなく、人が集まり語り合いさまざまな活動をする仕組みに行政も民間も連携して拠点施設を作り、タウンマネージャーを中心にビジョンを作り人・モノ・金・情報を活用してさまざまな多様に富んだ事業を展開しています。
こう言ったところはまちに活力があり老朽化した施設を巧みに活用しコミュニティーを中心に老若男女が多様に活動をしています。
そして何より素晴らしいのは人が人を呼び新しいネットワークができ価値を創造していることです。
他方で従来の硬直した組織や考え方に固執してフラットな思考のできないリーダーが推進するまちは機能不全に陥り閉塞感ばかりで人材が登用されませんし若々しさを無くしており活気がありません。負のスパイラルは止めようもなく責任を放棄して根本に目を向けず外的要因を挙げて言い訳にしています。
同じ沼津市内でもエリアによってこう言った極端な状況も出ています。
これを解決するにはどうしたら良いのでしょうか？
過日大分まちなか倶楽部の牧昭一氏が沼津市中心市街地活性化協議会主催の講演会でもお話し下さいましたが徹底した現状分析とエリアごとの特性あるマネジメントを行うことに尽きるように思います。
そのためにも官民が連携して沼津市の中心街を「沼津らしいビジョン」を作り関係者が役割を担って実践する仕組みが必要です。
まちづくりを民間で推進するまちづくり会社を早急に設立しそこにタウンマネージャーを置き、実行できる権限を持たせなくてはなりません。
大分では牧さんがその重責を担っていますがそういった組織と人材を早急に手当てする必要があります。
ではどのようなビジョンを掲げるべきか？
次回はこの辺について書き込みたいと思います。 |