全国17の原発(原子力発電所)にある商業用原発50基(および廃止6基)の発電総出力と各原発に貯蔵されている使用済み核燃料の量を図示した。 現在原発として認められている50基(2009年1月に運転を終了した浜岡原発1〜2号機、2012年4月に廃止された福島第一1〜4号機を除く)のうち最大出力の原子炉は浜岡原発5号機の138万kWである。出力最小は関西電力美浜発電所の34万kWとなっている。原子炉の号数は建設の順番であるが、新しく稼働した原子炉ほど発電総出力が大きいことがうかがえる。号数の大きい原子炉がより小さい出力という例はない。 原発単位では東京電力柏崎刈羽原発が821.2万kWと最大であり、東北電力東通発電所と日本原子力発電東海第二発電所が110万kWで最小となっている。 2011年3月11日の福島第一原発の事故以来、安全性に関する国民の不信感を背景にして、定期検査などによる停止後、再稼働した例はない。1年後の2012年3月12日現在で運転していたのは東電の柏崎刈羽原発6号機と北海道電力の泊原発3号機のみだったが、この2基も、前者は3月26日に停止し、後者は5月6日に停止した。なお、過酷な事故を起こした福島第一原発1号機〜4号機は廃炉が決定している。福島事故の恐怖が収まらない2011年5月には浜岡原発について菅直人首相が中部電力に異例の要請をした結果、運転が全面停止している。 使用済み核燃料の貯蔵量としては、東京電力柏崎刈羽原発が2,300トンと最も多く、東京電力福島第一原発が1,960トンでこれに続いている。第3位は関西電力大飯発電所の1,400トンとなっている。最小の東北電力東通発電所の100トンまで使用済み核燃料を貯蔵していない原発はない。 原発の安全性は原子炉とその外側の格納容器によって保たれているが、使用済み核燃料を貯蔵しているプールはその又外側の建屋の中の高いところにあり今回福島第一原発事故のように建屋が壊れれば、野ざらしになって極めて危険な状態となる。今回事故で米国がもっとも心配したのも4号機の使用済み核燃料プールが干上がり、大量の放射性物質が放出されることだったという。「電事連によると、全原発の使用済み核燃料プールの保管容量は2万630トン。このうち7割近くが埋まり、残りは6400トン分しかない。全原発が通常通り運転した場合、発生する使用済み燃料は年間千トン。6年ほどで満杯になる計算だ。1999年から各原発の使用済み核燃料を受け入れている青森県六ヶ所村の再処理施設も2860トンに達し、限界(3千トン)が迫る。」(東京新聞2012.3.9) 図で取り上げた17の原子力発電所は次の通り。泊(北海道)、東通(青森)、女川(宮城)、福島第一(福島)、福島第二(福島)、東海第二(茨城)、浜岡(静岡)、柏崎刈羽(新潟)、志賀(石川)、敦賀(福井)、美浜(福井)、高浜(福井)、大飯(福井)、島根(島根)、伊方(愛媛)、玄海(佐賀)、川内(鹿児島)。 2012年3月10日以降の原発運転変更
(2012年3月12日収録、3月26日更新、4月20日更新、5月6日更新、5月7日廃止炉点線表示) |
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