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ロンドン五輪の陸上女子長距離代表の新谷仁美(24)=ユニバーサルエンターテインメント=が26日、都内で行われた壮行会で会見し、5000メートルと1万メートルの2種目に出場する意向を明かした。当初、5000メートルだけに絞る考えだったが、初五輪は2種目で完全燃焼する覚悟を決めた。
日本選手権では5000メートルに絞って優勝し、五輪切符を獲得した。その一方で1万メートルでも確かな実力を持つ。4月の兵庫リレーカーニバルでは自己ベストの31分28秒26で優勝。1か国・地域で3人が出場できる五輪参加標準記録A(31分45秒)を突破した。日本陸連は日本選手権1万メートルで出場権を獲得した吉川美香(27)=パナソニック=、福士加代子(30)=ワコール=に加え、新谷にも1万メートルの出場を要請した。
07年2月、第1回東京マラソンで当時、まだ18歳だった新谷は2時間31分1秒で優勝。女子マラソンシドニー五輪金メダルの高橋尚子さん(40)の後継者として期待された。しかし、今はマラソン志向はなく1万メートルも敬遠。5000メートル一本で世界と勝負する心づもりだった。だが、日本陸連の打診を受けて“封印”を解くことを決めた。「これからも、すごい格好いい人に『1万メートル走ったら付き合う』って言われたら走ります」。2年前はストレスで岡山の実家に逃げ帰ったこともある“不思議系ランナー”は、得意のマイペース発言で笑わせた。
ユニバーサルエンターテインメントが指導を委託している佐倉アスリート倶楽部の小出義雄代表(73)は、「新谷は集中力が普通の子と違う。狙った試合で必ず力を発揮できる。今までの選手の中でもいないタイプ」と勝負強さを高く評価。「見せ場をつくりたい」ロンドンで“新谷ワールド”を創造する。
◆新谷仁美(にいや・ひとみ)1988年2月26日、岡山・総社市生まれ。24歳。ユニバーサルエンターテインメント所属。総社東中で陸上を始め、興譲館高で全国高校駅伝3年連続1区区間賞。07年東京マラソン優勝。昨年の大邱世界陸上5000メートル13位、自己ベストは5000メートルが15分13秒12、1万メートルは31分28秒26。164センチ、45キロ。
(2012年6月27日10時49分 スポーツ報知)