大阪市職員、引き取り手ない死者の預金引き出す

　大阪府警住吉署は２７日、引き取り手がない死亡者のキャッシュカードを不正に使って預金を引き出したとして、窃盗の疑いで、大阪市住吉区役所副参事・田中身延容疑者（５５）＝大阪府河内長野市＝を逮捕した。逮捕容疑は今年１月初旬に死亡した住吉区の７０代男性のキャッシュカードを不正に使用。同月中旬、コンビニの現金自動預け払い機（ＡＴＭ）で数回にわたり計数十万円を引き出し盗んだ疑い。

　住吉署によると、男性は飲食店で食事を喉に詰まらせ搬送先の病院で死亡。引き取り手がないため、遺体のほか、キャッシュカード、携帯電話などの所持品は、区役所で生活保護や行き倒れで死亡した人の対応を担当する田中容疑者が受け取ったという。

　その後、３月になって大阪市内に男性の娘がいることが分かり、所持品などは娘の元へ。後日、娘が通帳記入した際、死亡日より後に現金を引き出した形跡があり、発覚した。田中容疑者は「交遊費や、借金返済のための金が欲しかった」と容疑を認めているという。また、行き倒れで死亡した人の所持品管理は、田中容疑者が１人で担当していたことも区役所への取材で分かった。

　捜査関係者は「親族がいるとは考えもせずやったんだろう。ハゲタカのような奴だ」と怒り心頭。府警は暗証番号を把握した経緯や、親族が名乗り出ていないケースでの余罪がないかなど厳しく追及していく。

（2012年6月28日06時02分  スポーツ報知）

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