ラジオのニッポン放送の元アナウンサー、塚越孝さん(57)が、勤務先のフジテレビ本社(東京都港区台場)内のトイレで死亡していたことが27日、同局への取材で分かった。
同局によると、塚越さんは26日、パソコン向け動画配信サイトで流す番組を収録する予定だった。現場に姿を見せなかったため、関係者が行方を捜し、同日夕にトイレの個室内で塚越さんを発見。警察が死亡を確認した。遺書のようなものが見つかっており、警視庁東京湾岸署は自殺とみて調べている。
塚越さんは77年、ニッポン放送にアナウンサーとして入社。「オールナイトニッポン」(2部)などを担当し、「つかちゃん」の愛称で親しまれた。06年にニッポン放送の再編に伴い、フジテレビに移籍。アナウンス室に所属し、BS番組のニュースやナレーションなどを担当した。
11年6月には、クリエイティブ事業局クリエイティブ事業営業部に異動。動画配信サイト「見参楽(みさんが)」で、落語を紹介する番組「お台場寄席 DOUGA」、飲み屋を紹介する番組「つかちゃんの酔いの口ワイド」を担当していた。
ニッポン放送の関係者によると、11年の異動の際には、一度別の部署への異動を打診されるも固辞。結局、クリエイティブ事業局配属となったが、「アナウンサーとしてのこだわりが強く、異動に不満があったのかもしれない」(関係者)という。
また、フジテレビの関係者は「悩んでいる様子はなく、仕事を意欲的にこなしていた。昨年は一時体調を崩し、健康には人一倍気を使っていたはずなのですが…」と話した。同局広報部は「突然のことで大変驚き、言葉もありません。非常に残念です。ご冥福をお祈りいたしております」とのコメントを出した。
◆塚越 孝(つかごし・たかし)1955年3月20日、川崎市生まれ。日大芸術学部卒。77年、ニッポン放送にアナウンサーとして入社。06年4月にフジテレビに移籍し、BSの番組などを担当。11年6月にクリエイティブ事業局クリエイティブ事業営業部へ異動。
[2012/6/28-06:03 スポーツ報知]