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「実質国有化」でも“殿様”…120億東電病院売却「NO」

東電にリストラ加速要求 株主総会会場の猪瀬副知事
東京電力の株主総会について報道陣の質問に答える東京都の猪瀬直樹副知事
Photo By 共同 

 東京電力など電力9社の株主総会が27日、全国各地で一斉に開かれた。東電は国立代々木競技場第1体育館で開き、4471人が出席。昨年同様、怒号が飛び交う大荒れ模様となったが、この中で東電が120億円以上の資産価値がある「東京電力病院」(新宿区)を所有していることが分かった。東電は公的資金1兆円を受け入れ、実質国有化されることになった。

 午前10時に始まった総会の冒頭、東電の勝俣恒久会長が「原発事故で多大な迷惑をおかけしている」と頭を下げた。出席した株主からは議長交代を求める動議が相次ぎ、経営陣に対する怒号が飛び交った。そんな中、“隠し資産”があることも明らかになった。

 筆頭株主である東京都を代表して総会に出席した猪瀬直樹副知事は「東電の資産売却にはいろんなものがある。ホームページでも売却リストがあるが、東京都内の信濃町にある東電病院は載っていない。資産価値は約120億円以上」と指摘。さらに「国有化される以上、売却して還元するべきだ」と強い口調で訴えた。

 都によると、東京電力病院は敷地1700坪、7階建て。東電社員とOB専用で、計113床のうち現在使われているのは20床ほど。稼働率2割以下、にもかかわらず一般の患者は一切受け入れていないことになる。猪瀬氏が「病院は東京に住んでいる幹部が入る病院だ!資産を売却するのはあたり前だ」などと続けると、出席者から歓声と大きな拍手が起こった。

 都はさらに顧客サービス最優先や、電気料金の算出根拠の開示などを定款に盛り込むことや、経営の透明性確保などを提案したが、東電経営陣はことごとく反対を表明。勝俣氏に再任が内定した日本原子力発電の非常勤取締役も辞退するよう迫ったが、勝俣氏は表情を変えずに拒否した。

 途中退席した品川区の主婦(47)は「相変わらずの上から目線。企業体質は変わっていない」と吐き捨てた。東京都北区の林陽子さん(65)=主婦=は「病院を売却しないで、ただ料金を値上げさせてくださいというのはおかしい。猪瀬さんの意見に賛成」と話した。

[ 2012年6月28日 06:00 ]

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