社説:大量造反で通過 民主はきっぱり分裂を

毎日新聞 2012年06月27日 02時30分(最終更新 06月27日 02時50分)

 小沢元代表らが今後、新党を結成するにせよ、民主党内で再び主導権争いをする道を選ぶにせよ、どうすれば増税をせずに社会保障制度を維持していけるのか、具体的に提示するのが最低限の責任だ。それができなければ「国民の生活が第一」どころか、「自分の選挙が第一」、つまり「ともかく増税に反対すれば選挙で有利になるかもしれない」というのが造反の理由だったことになる。

 93年に自民党を離党して以来、小沢元代表は新党を作っては壊してきた。03年秋、元代表率いる自由党が民主党と合併した後も、民主党内では「小沢対反小沢」の対立が繰り返されてきた。私たちは政策論争より権力闘争が優先される政治から一刻も早く決別したいと思う。

信を問い直す時期 その点、一連の法案が民主党議員の造反がありながらも自民党と公明党などの賛成を得て衆院を通過し、参院でも可決・成立する見通しとなったのは、与野党の足の引っ張り合いから脱却し、「決める政治」への一歩となったと改めて評価したい。元々、与党は参院では半数を割っている。首相は当面、他の法案も含め自、公両党の協力を求める「部分連合」を探っていくほかない。

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