原発事故:福島県民200万人全員への補償決まる
毎日新聞 2012年03月29日 22時20分
東京電力福島第1原発事故による損害賠償で、約200万人の福島県民全員への補償が29日、決まった。避難区域外で、放射線量が比較的低い白河、会津若松市など会津・県南地方の取り扱いが焦点になっていたが、東電の代わりに県が給付する提案を同地域の市町村が受け入れた。ただ、市町村には「本来は賠償は東電がすべきで額も少ない」として全県同額の賠償を求めていく声も多い。
同日の市町村との協議で県は、会津17市町村の妊婦と18歳以下の子ども20万円▽東電が20万円の賠償方針を示した県南9市町村の妊婦・子どもに上乗せで10万円▽その他の住民に4万円−−を支給する案を提案した。東電が福島、郡山市など23市町村を対象にした妊婦・子ども40万〜60万円、その他住民8万円の賠償の約半分。
県は国の補助金で作った原子力被害応急対策基金404億円の一部に東電の寄付30億円を足し約300億円を拠出する。一方、東電の避難区域外への賠償額は約2100億円。