私は小沢一郎が嫌いだが「増税反対」は絶対に正しい(第1回)
週刊ポスト
やるべき事をやらなかったのは小沢さんあなただ。
江田憲司・衆議院議員(みんなの党幹事長)
野田首相や安住財務相は「日本の借金は1000兆円でGDPの2倍。財政破綻寸前で国債暴落が迫っている」と繰り返し、増税を訴える。しかし、当分の間は国債暴落など起こり得ないことは、当の財務省が認めています。
02年、外国格付け会社が日本国債の格付けを下げたとき、財務省は「日本は世界最大の貯蓄超過国、経常黒字国、債権国で外貨準備も世界最高。国債は国内で低金利で消化している」と経済のファンダメンタルズの強さを主張し、「日本国債のデフォルトは考えられない」と反論した。10年経った今、この数字は悪くなるどころか、良くなっている。どこが「増税しなければ国債暴落」なのか。
完全な財務官僚の二枚舌です。増税に「不都合な真実」は隠し、都合の良い数字しか言わない。こうした情報操作を私は「財務省のマインドコントロール」と呼んでいますが野田首相も操られている。
私は消費税率を3%から5%に上げた97年、橋本龍太郎首相のもとで政務秘書官を務めました。当時、増税に耐えられる体力が日本経済にあるかを慎重に検討し、GDP3・6%成長、日経平均株価2万円超と言う環境で増税に踏み切った。しかし、直後のアジア通貨危機や金融危機で景気が悪化し、税収は増えるどころか減ってしまった。私はその時、「経済は生き物で怖い」と痛感した。ユーロ危機、日経平均9000円割れの状況下で増税するなんて日本経済を殺すも同然。絶対に許されません。
財務省は「財政再建のため」と言いますが、それは嘘です。これまで財務省は予算を自らの差配で分配することで天下り権益、省益を守ってきた。しかし、昨今は税収減でままならない。そこで、大震災でお金を出してもいいという国民の気持ちにつけ込み、また、たまたま民主・野田代表も、自民・谷垣総裁も財務省べったりなので、この好機に増税法案を成立させて、景気が回復したら大幅税収増という魂胆なのです。
ただし、みんなの党は同じ反増税でも小沢一郎氏とは違う。小沢派が最近、(増税の前にやるべきことがある)というのぼり旗を作ったが、その文言は3年前、みんなの党を結成した時のキャッチコピ-と同じで、正直言って迷惑です。「やるべきこと」をやらなかったのは鳩山代表ー小沢幹事長時代の小沢氏自身だ。党内の権力闘争、政局に政策を利用する小沢氏の姿勢を私は認めません。
以上です。
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