やはり謀略なのか 紙爆弾小沢夫人「離縁状」の怪しい中身
【政治・経済】
筆跡が違う、事実誤認も
そんな怪しい手紙を、天下の読売新聞が23日朝刊で〈小沢氏資質 妻が告発「放射能怖くて逃げた」〉と見出しを付け、そのまま報じたのには驚いた。文春掲載から1週間以上も経過している。なぜこのタイミングで報じたのか。なぜこの時期に大量にコピーがバラまかれたのか。26日の消費増税法案の採決を控えた“小沢潰し”を狙っているのは明らかだろう。
手紙の真贋について、小沢事務所は読売の取材に「手紙は本人の字ではない。放射能を恐れて逃げたという事実はない」と明確に否定していた。確かに、手紙にはおかしな点がいくつもあるのだ。
(1)筆跡が本人のものではない疑い。
写真は、ジャーナリストで民主党参院議員の有田芳生氏が、和子夫人と親しい女性からはがきを入手し、筆跡を比べたものだ。非常に似ているが、〈和〉の「のぎへん」のハネが違う。
「〈し〉や〈た〉の文字は筆跡が全く違いました。永田町周辺には議員の代わりに文字を似せて書く『代書屋』がたくさんいます」(有田氏)
(2)手紙の本文では〈小沢〉なのに、最後の署名だけ〈小澤〉になっているのも不自然だ。
(3)句点や読点がまったくなく、手紙らしくない。11枚の長文なのに、書き損じが1カ所もない。
(4)〈数年前から小沢は京都から出馬したいと言い出していた〉という記述があるが、それは一部マスコミの誤報で、事実ではない。
(5)〈3月25日に旅行カバンを持って逃げ出した〉とあるが、「小沢さんは東京にいましたし、離れて住んでいる夫人にわかるはずがない」(有田氏)。
(6)そもそも和子夫人は「こういう長文の手紙を書く人ではない」(30年近く夫人を知る関係者)。
和子夫人本人が言葉を発していない以上、手紙の真贋はわからない。ただ、11枚もの手紙を大量にコピーし、封筒に入れ、複数の郵便局の「消印」で大人数に送りつけるという行為は、組織的な力が必要であることは間違いない。マスコミや永田町で「官邸の仕業」と囁かれるゆえんである。
どんな謀略組織が暗躍しているのか。