2012年06月27日

読売新聞の読者だましのテクニック

読売新聞2009年5月19日 記事31面 
「最後のパレード」出版社が謝罪広告
著作権 大半が不明確

ベストセラー「最後のパレード 東京ディズニーランドで本当にあった心温まる話」の盗用疑惑で、発行元の出版社「サンクチュアリ・パブリッシング」(東京都新宿区)は社団法人「『小さな親切』運動本部」の発行物の著作権を侵害している可能性が高いとして、同本部などに謝罪する広告を16日の全国紙に出した。しかし同書に収録された33のエピソードのうち、著作権上、問題がある話がいくつあるかは不明で、著者の中村 克氏からも説明や謝罪はない。「感動」を売り物にした本を巡り、なぜ今回のような事態が起きたのか。

今年3月発売以来、2か月足らずで約23万部を売り上げた「最後のパレード」について、同社は15日、エピソードの一つが、同本部の発行物に掲載された「あひるさん、ありがとう」の著作権を侵害している可能性が高いとして、同本部との間で、自主回収の実施と謝罪広告を出すことで合意。読売新聞と毎日新聞の16日朝刊に掲載された。ただ、書店などに卸した未販売の16万部の回収には6月までかかり、購入者からの返金要求も相次いでいるという

同社によると、東京ディズニーランドを運営する「オリエンタルランド(OLC)」での勤務経験をもとに講演活動などをしていた中村氏に対し、同社側が出版を依頼。その後、出版の1年ほど前に、中村氏が「ディズニーランドであった話」として、プリントアウトした200以上のエピソードを持ち込み、同社編集者がネット上から集めたディズニーランドに関するエピソードも合わせ、中村氏が33の話を選んだという。同社はこの時、「(33の話は)自分が見聞きしたことだから著作権上の問題は大丈夫」と話した、と説明している。

社内調査では、このうち「あひるさん、ありがとう」以外に、6話がOLCの社内教育文書と酷似していたとしている。しかし残りは原典が不明としており、著作権の帰属先はあいまいなままだ。
「著者の原稿を客観的な目で確かめるという編集者の認識が不足しており、著作権者への配慮も欠けていた」。同社の鶴巻謙介社長はそう弁明した。今後も社内調査を続けるとしているが、担当した編集者の責任や出版の経緯を第三者が検証することには消極的だ。

さらに、「あひるさん、ありがとう」は別な遊園地での出来事をもとにしており、「ディズニーランドで本当にあった」とした同書の副題にも問題がある。
一方、OLCは4月上旬、著作権侵害を指摘する配達証明を中村市に送っているが、現時点でも回答がないという。「小さな親切」運動本部も「中村氏に謝罪を求める気持ちに変わりない」とする。中村氏は読売新聞の取材にも応じていない。
著作権に詳しい小泉直樹・慶応大法科大学院教授(知的財産法)は出版社には刊行にあたって、著作権を侵していないか調べる義務がある。しかし今回はそれを怠ったまま出版し、ベストセラーになってしまった。多額の利益をあげた出版社として、問題がどこにあったか調査を尽くし、説明する責任があるはずだ」と話している。


オリエンタルランドからの手紙 読売讒言(ざんげん 他人を陥れようとして、事実をまげ、いつわって悪しきさまに告げ口をすること)報道前の4月11日の受け取り

オリエンタルランドからの手紙.JPG


最後の部分
 つきましては今後、ディズニー社の財産を使用しての営業行為または広告宣伝、ならびに貴殿が在職中に知り得た秘密情報を使用しての出版活動、営業活動につきましては、厳に謹んで頂きたく、誠実な対応がいただけない場合には、法的措置を講じることも検討させて頂く所存です。

OLCとしては、当たり前のことであり、私が兼ねてから主張していた「イエローカード」です。一発退場の「レッドカード」にすると、ディズニー出身者は誰も講演活動や出版活動などできなくなります。

返事を求められていないのに、読売新聞は、

一方、OLCは4月上旬、著作権侵害を指摘する配達証明を中村氏に送っているが、現時点でも回答がないという。「小さな親切」運動本部も「中村氏に謝罪を求める気持ちに変わりない」とする。中村氏は読売新聞の取材にも応じていない。と書く。

もちろん、読売新聞社からの取材依頼などなかった。

だまされ、購読料を支払っている読売新聞の読者が哀れでならないのである。

posted by M.NAKAMURA at 17:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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