株主総会:中国電、「上関」計画撤回を 揺れる山口・祝島住民70人、本社前に座り込み
2012年06月27日
中国電力の株主総会があった広島市中区の本社前には、上関原発(山口県上関町)計画に揺れる同町・祝島の島民約70人が「計画撤回」を求めて座り込んだ。今月、父の故郷である島に移住した氏本拓(うじもとたく)さん(37)の姿もあった。拓さんは、地元住民を翻弄(ほんろう)し続ける原発計画について「住民が賛成と反対で分断され、コミュニティーをずたずたにする」と批判した。
拓さんの祖父は、町議で原発推進派のまとめ役だった。北海道に移り住んだ父の長一さん(62)が原発に疑問を呈すと、「島に住んでいないお前にはわからんじゃろ」と突き放したという。
北海道で生まれ育った拓さんが小学生の時、島に祖父を訪ねると、家の前で原発反対のデモに取り囲まれた。ショックだった。原発には賛成できなかったが、過激な運動にも賛同できなかった。しかし、福島の原発事故は衝撃だった。祖父の死を機に、長一さんは5年前、「島で農業の未来をみつけたい」とUターン。島である反原発デモに毎週参加し、昨年の株主総会では中国電力本社前で座り込んだ。