宮城水産高(大野信之校長、生徒415人)と県漁協宮戸西部支所月浜青年部(小野誠部長)は26日、東松島市宮戸の月浜で、学校で育てたキタムラサキウニの稚ウニ約1万個を放流した。ウニ資源を地域で管理し、持続的に水揚げできる環境をつくるのを狙いに例年実施してきたが、昨年は震災のため中止となり、2年ぶりの放流。栽培漁業類型3年の28人と、同支所月浜青年部の7人が参加した。
月浜地区も震災で大きな被害を受け、80隻あった船がほとんど流失するなどしたが、「放流事業を継続させたい」とし、昨年9月、青年部員が50個の親ウニをがれきが散在する海から採捕し、学校に届けた。
同校では被災した設備を応急復旧させ、人工授精に成功。約2〜4センチに育った稚ウニを持ち込んだ。
生徒は月浜漁港から3隻の船に分乗し、海藻が豊富な水深3〜5メートルの海域で、稚ウニと一緒に育ててきた餌となるコンブを海に入れた。宮戸の里浜地区から通う桜井雄太君(17)「地元のウニは最高においしい。自分たちが育てたウニが捕れる日を楽しみにしている」と話していた。
宮水高と県漁協宮戸西部支所の連携は1989年からで、毎年支所から譲り受けた親ウニを生徒が人工授精し、放流している。稚ウニは3〜5年で出荷できるサイズまで成長する見込み。
【2年ぶりに稚ウニを放流する宮城水産高の生徒=東松島市宮戸沖】 |