選手の先頭に立ってにこやかにランニングするグランパスのDFダニエル(中)=愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで
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名古屋グランパスのDFダニエル(30)が24日、レギュラー奪取への思いをあらためて語った。23日の磐田戦(瑞穂陸)では不動のセンターバック・増川を押しのけてスタメン出場、完封勝ちに貢献した。当初はバックアッパーとみられていた男の存在感が日増しに高まっている。
闘莉王、増川のコンビで近年“無風地帯”だったセンターバックに、新加入のダニエルが新たな風を吹き込んでいる。磐田戦では安定感のある守りや機を見た攻め上がりで勝利を呼んだ。「(チームに)少しずつ慣れてきた。監督から求められる役割に応えたい」。常に謙虚なブラジリアンからも自信の言葉が出るようになった。
開幕から5試合にスタメン出場しているダニエルだが、これまでは闘莉王、増川と最終ラインでトリオを組む3バックシステムで起用されるケースがほとんどだった。磐田戦では4バックで出場して相手を無失点に抑えたことで、“ダニエル株”はじわりと上昇中。
左サイドバックの阿部は「ダニエルは高さがあって、ドリブルでもボールを運ぶことができる。ボランチに近いタイプのセンターバックですね」と評した。
ストイコビッチ監督はセンターバックの起用法について問われた際、「私は監督であって、私の仕事はチームを勝たせることだ」と強調。暗に増川とダニエルのポジション争いを促した。実績十分の増川とて黙ってはいないはずで、2人の競争が相乗効果でチーム力を高めそう。
ダニエルは「グランパスはサポート体制もしっかりしているし、仕事はやりやすい。闘莉王ともポルトガル語でコミュニケーションが取れるしね」と前向き。ダニエルのレギュラー争い本格参戦で、グランパスはさらに強くなる。 (木村尚公)
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