金環日食:見えた天空の輪 九州から東北で観測
毎日新聞 2012年05月21日 06時39分(最終更新 05月21日 14時47分)
太陽が月に隠されてリングのように輝いて見える「金環日食」が、21日午前7時半ごろ、九州南部から東北南部までの太平洋側の広い範囲で起きた。東京(島しょ部除く)では173年ぶり、大阪では282年ぶり、名古屋では932年ぶり、日本全体では87年に沖縄で観測されて以来25年ぶりとなった。東京では午前7時32分から約5分間、雲の切れ間から細いリング状になった太陽が姿を見せた。金環日食にならなかった地域でも、太陽が大きく欠ける部分日食になり、日本の多くの人が「世紀の天体ショー」に注目する朝となった。
◇東京173年ぶり
金環日食が観測可能な地域には約8300万人が住む。天文の研究者や愛好家で作る「金環日食限界線共同観測プロジェクト」のホームページには、四国から東北南部にかけての広い地域の市民から「金環日食が見えた」との情報が寄せられた。気象庁によると、九州地方と関東地方の太平洋側の一部は天候が悪く、見えた地域は限定的だった。
各地の天文台や科学館などが市民向けに観察会を企画し、多くの小中学校は、子供らが交通事故の心配をせずに観察できるよう、登校時間をずらした。