天文ショー:「金星の太陽面通過」現象、各地で
毎日新聞 2012年06月06日 08時20分(最終更新 06月06日 14時00分)
太陽、金星、地球が一直線に並ぶことで起きる「金星の太陽面通過」と呼ばれる現象が6日、日本全国で起きた。太陽の直径の約30分の1の大きさの黒い点となった金星は、午前7時10分ごろ太陽の前を移動し始め、全体が太陽面に入った瞬間、滴のように見える「ブラックドロップ」という現象が観測された。通過は午後1時50分ごろに終わった。
5月21日の金環日食に続き各地の天文台や科学館で観察会が開かれたが、関東地方は台風3号の影響で雨雲が広がり観察は難しかった。西日本では広い地域で観測できた。
金星は、太陽の左から入り、まっすぐ右に抜ける。だが地球の自転に伴う太陽の傾きの変化を考慮せずに地上から観察していると、金星が山なりに移動していくように見える。
金星は地球の内側を公転している。金星の軌道は地球の軌道から見ると、斜めに傾いており、太陽、金星、地球が直線上に並ぶのは、およそ243年に4回。105.5年、8年、121.5年、8年という周期で繰り返す。前回は04年6月8日に日本で観測できたが、次は105年後の2117年12月11日という。【斎藤広子】