Ars TechnicaにWinampの盛衰を追った長文の記事が上がっています。
Winamp’s woes: how the greatest MP3 player undid itself | Ars Technica
買収したAOLのマネジメントの失敗が原因
1997年にリリースされたWinampは、カスタマイズ可能で軽量なMP3プレーヤーとして一世を風靡しました(僕も使っていました)。
1999年には8,000万〜1億ドルという巨額でAOLによって買収され、文字通りの大成功を収めました。
が、「AOLはWinamp(Nullsoft)のチームのマネジメントに失敗し(最初のジェネラル・マネージャ、Rob Lord氏)」「社内政治に囚われたAOLがWinampを殺しつつあることに、早く気付いてほしいと常に願っていた(開発者、Justin Frankel氏)」とのこと。
ちなみにAOLはNullsoftがリリースしたファイル共有サービス「WASTE」の公開を差し止めたりもしています。これにはFrankel氏は怒り心頭だったようです(”They think AOL sucks!“)。WASTEの差し止めに見られるように、ギークなWinampチームとザ・大企業のAOLは、根本的に組織のカルチャーが違ったのでしょう。
iTunesが市場投入されると、Winampのシェアはみるみる落ちていきました。地味にAndroidアプリとかも出ています。今も開発は続いており、毎年600万ドル程度の利益を出していると見られています。
Winampのブログの「チーム」ページはブランクとなっており、一抹の寂しさを感じさせます。
ざっくり要約すると「AOLのミスマネジメント」が衰退の原因ですが、元記事はかなりがっつりした骨太な記事となっています。スタートアップの買収に関心がある方は事例として知っておくと良いでしょう。読み応えのある良い記事です。