秋田・クマ牧場:2月にも脱走か 餌箱破損部から
2012年06月24日
今年4月、ヒグマに襲われ女性従業員2人が死亡した秋田県鹿角市八幡平の秋田八幡平クマ牧場で、同2月にもツキノワグマがオリから従業員用通路に脱走していたとみられることが23日、分かった。
県生活環境部などによると、県が5月と6月に4日間行った同牧場への立ち入り調査に対し、元従業員の館花清美容疑者(69)=業務上過失致死容疑で逮捕=が、死亡した女性従業員が今年2月、ツキノワグマに餌をやるため従業員用通路に入ろうとした際、通路で黒い影が動いたのを見たと話したと証言している。
同容疑者が確認した時はクマはオリの中にいたが、鉄格子の下部にある可動式の鉄製餌箱(縦約20センチ、横約50センチ)の部分が破損しており、この部分から脱走したらしい。館花容疑者は破損した部分に鉄板をあてて補修したと話しているという。
ツキノワグマのオリは、ヒグマの運動場の北東にあり、脱走したのは2歳雌とみられる。
県は事故前の3月22日にも同牧場に立ち入り調査。元経営者の長崎貞之進容疑者(68)=同容疑で逮捕=から話を聞いたが、クマの脱走やオリの補修の報告はなかったという。