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福島沖 試験的な漁で水揚げ
6月22日 20時6分

東京電力福島第一原発の事故以来、漁の自粛が続いてきた福島県沖で、安全性が確認された一部の魚介類が対象の試験的な漁が22日行われ、「ミズダコ」などが合わせて1400キロ水揚げされました。

福島県相馬市の松川浦漁港では、22日夕方、漁を終えた6隻の漁船が次々と帰ってきました。
そして、漁の対象の「ミズダコ」「ヤナギダコ」、それに「シライトマキバイ」というツブ貝の一種の、合わせて3種類の魚介類を専用のカゴに移し替えていました。3種類、合わせて1400キロが水揚げされたということです。
6隻のうち「宝精丸」の佐藤弘行船長は「これまでの海のがれきの撤去や検査のための漁とは違い、消費者に提供する魚を採る漁で緊張も感じました。本格的な漁の再開に向けてはずみになればいいと思います」と話していました。
今回の漁は、全面自粛が続いてきた福島県沖の漁の再開を検討するため、福島県漁連が試験的に行いました。
販売目的の漁が行われるのは原発事故以来1年3か月ぶりとなります。
対象の3種類のタコと貝は、いずれもこれまでの検査で放射性物質が基準値を大きく下回っていて、海域も福島第一原発から北東側に50キロ以上離れた相馬市の沖合に限定されています。
水揚げしたタコと貝は、22日夜から港にある施設で放射性物質の検査が行われ、さらに、ゆでて加工したあとに再度検査が行われます。
結果に問題がなければ、来週はじめにも、地元、相馬市のスーパーマーケットなどで販売が始まります。
相馬双葉漁協の南部房幸組合長は「本格的な漁の再開に向けての第一歩になったと思う。自信を持って安全安心な魚介類を提供するため、検査態勢の強化に努めてきた。検査結果はすべて公表していきたい」と話していました。

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