PX-BCUDとPX-S1UDの"ドングルファミリー"を、Spinelで有効活用
さて、前記事で予告したPX-BCUDを使ったSpinel構成ガイドについて早速。時間かけてもしょうがないので、まずは書けるだけ書いてみて、不足しているものはあとから書き足していこうと思います。
BCUD自体はシングルチューナなので、これ単体でSpinel使ってネットワーク共有することにメリットがあるの?と思われる方もいるかもしれませんが、Spinelを導入するとその瞬間に、家中のパソコンが古いもの、タンスに眠っていたものを含めて、TVやHDDレコーダーに変身します。
むだなパーツや配線は要らず、アンテナ線が出ている場所に1台、Spinelサーバとして古いノートPCなりを置いてこのチューナを挿し常時ONにしておけば、家中どこでもLANや11nの無線LAN経由で、TVを観たり録画が可能になります。
この辺、普通の家電でやろうとすると何十万円も機材に投資しなければならなかったり、その挙句ガチガチのプロテクトだらけで、今録った番組すら他の機材で自由に観ることもできないようなものしか「与えてもらえない」現実があるのですが、Spinelを導入することによってシンプルにそれらが可能になります。
ちなみに以前の記事でSpinelをご紹介した時は、そもそもはW3U2の4チューナを有効活用したい、というのが私自身の動機でした。Spinelは使用するチューナが増えてくるにつれて、より威力を発揮するようになります。
そこでここでは、BCUD単独で使える手順としながらゆくゆくチューナーを増やしていくことにも対応できるようにし、また同時にいろいろSpinelの便利な(遊べる?)応用もここでご紹介することにしました。
なお、PX-BCUDの全般的な特徴と構成上の注意点は前記事に書きましたので、導入される方は前記事もひととおり目を通していただければ幸いです。
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1.まずはSpinelのおさらいから
普段Spinelを使っている方なら何を今さらという話なのですが、一応この機会にということで、まずはSpinelの基本構成と応用を説明します。この辺かなり余談も入ってますので、その辺飛ばしてすぐに設定に入りたいという方はこちらにジャンプしてください。
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1)今回の構成例
今回は写真のように、ドングルチューナーシリーズのPX-S1UDを1個、PX-BCUDを2個を写真のようにUSBハブに挿してPCに接続し、
これを新しいSpinel配下で管理することにしました。(言わずもがなですがこういう構成の場合、USBハブはセルフパワータイプにして、各ポートにしっかり給電できるようにするのが必須です。)
概念図としては以下のようになります。
ここでクライアントと書いてありますが、もちろんサーバ内での視聴や録画環境も基本的には同じ構成で、同一筐体内になるだけです。クライアントの場合は必要なネットワーク帯域を満たしていれば、LAN越し、Wi-Fi越しでも自由に置くことができます。
さて、SpinelサーバではSpinelで管理するチューナーデバイスのBonDriverを
\Spinel\BonDriverフォルダ
に個数分入れておくことで個数分のチューナを識別し、利用できるようになります。
それらはSpinelクライアントからはチューナー機種毎に固有の識別子、例えば
PTxならPT、W3PEならPXW3PE、W3U2ならPXW3U2、W3U3ならPXW3U3、S3U2ならPXS3U2、S1UDならPXS1UD
のように、まず区別されます。
ちなみにSpinelはBonDriverのネーミングルールで機種を判断しています。したがってオリジナルで提供されている各機種用BonDriverはネーミングを勝手に変えてはいけません。
BonDriverのインターフェースはどれも共通なんだから敢えて機種を判別する必要はないんじゃないか?と思われる方もいるかもしれませんが、実際はBonDriverは機種ごとに細かいクセや動作の違いがあり、Spinelはその辺を吸収するために機種対応をいろいろやっています。(対応の必要のない機種もありますが、例えばPX-S1UDが最初Spinelで動かなかったのを吸収したのもSpinel側の機種対応の一例です。)
さて、Spinelは(\Spinel\BonDriverフォルダに)適切なサフィックスをつけたBonDriverを、「チューナー個数分」入れておかないとチューナー個数を判別できませんので、例えば
BonDriver_ABC.dllというオリジナルのBonDriverが提供されている場合、
BonDriver_ABC0.dll、BonDriver_ABC1.dll、BonDriver_ABC2.dllのような、オリジナルのネーミング+サフィックス.dll というネーミング
として、チューナ個数分を該当フォルダに入れておく必要があります。(0,1,2等はユニークなものであれば、どんな文字でも構いません。iniファイルも提供されているなら同じネーミングで入れておく。)
これに加えて同種のデバイスを複数管理する場合、何台目のデバイスなのか、また特にマルチチューナデバイスの場合地上波チューナなのかBS/CSチューナなのか、その何個目のチューナなのかを指定することで、個々のチューナが識別されるようになります。
具体的にはBonDriver_Spinelxxx.dll.iniというファイルで、上の図にあるように
TunerPath = "PXW3U3/0/S/0"
のように指定することで、個々のクライアントのBonDriver_SpinelxxxがSpinelサーバ上のどのチューナーを見に行くかが決まることになります。
今回はこれにBCUD用の定義体を加え、
PXBCUD
という識別子を付けました。
PX-BCUDはBS/CS専用チューナで、1台あたり1個のチューナしかありませんので、複数台をSpinelで管理させる場合のTunerPathは
PXBCUD/0/S/0、PXBCUD/1/S/0、PXBCUD/2/S/0
のように識別されることになります。
なお今回私の環境ではPX-S1UD 1台も同じようにSpinel配下に置きますが、こちらは
PXS1UD/0/T/0
という識別になります。(これが2台3台に増えていく場合は、PXS1UD/1/T/0、PXS1UD/2/T/0 のように識別することになります。)
2)チューナの共有とチャンネル優先権
Spinelの特長の1つに「排他制御」という言葉が出てきます。BonDriver_Spinelxxx.dll.iniの
RequireExclusiveChannelControl =
というパラメータで指定するので、正確には「排他的チャンネルコントロール」なのですが、これを「排他制御」と言ってしまうと誤解を招きやすいので、上記のような表現のほうが適切なのではないかと思っています。
つまりSpinelの特長の1つはむしろ排他ではなく、逆に1台のチューナを何台のクライアント(プログラム)からでも共有できる、という点だと思います。まあ教室などで各PCから同時に番組視聴する、などという使い方はあまりないかもしれませんが。
録画中の映像を別のTVTestからチェックを兼ねて同時視聴する、とか、家の台所と居間で同じ番組を流して行き来しても続けて観られるようにする、手元で字幕やニコ実入りの画像を流しながら片方では大きな画面で純粋な映像だけを映す、など、割と気軽に使える便利な機能です。
ただし、特に録画中に勝手にチャンネルを切り替えられても困るので、この「排他的チャンネルコントロール」は、チューナを共有しつつその辺を防ぐための機能だと言えます。
この辺の共有とチャンネル排他コントロールの機能について、簡単に説明したのが次の図です。
ここで優先権 = とは具体的には、RequireExclusiveChannelControl = 1(有)/0(無し)という指定になります。
3)SpinelとBonDriver_Spinel間の通信手順
これはネットワーク越しの場合はTCP/IP、ローカル(同じOS内)の場合はpipeを使います。(BonDriver_Spinelxxx.dll.ini の ForceTCPDataLinkMode = で指定します。)
これを0にしておけば自動的に選択してくれるはずですが、気のせいかうまく行かなかった記憶がありますので、ローカルでは0、ネットワーク越しでは1を必ず指定するようにしています。
4)選択的スクランブル解除
SpinelはB25Decoder.dllを同じフォルダに入れておくことで、映像スクランブルを解除しながらクライアントに流すことができます。
クライアント側のTVTestやEDCBでもスクランブル解除はできますし、Spinelでスクランブル解除すると(特にCSの場合)同じチャンネルの全サービス(9個の時もある)を一斉にスクランブル解除しようとしますので、BCAS-カードリーダの負荷が非常に重くなり、CS 2~3チューナー程度の同時処理でも限界を超えてしまって画面がカクついたりDropを起こす、という事態が起こりえます。
そういうわけで、BS/CSではむやみに使わないほうが良いのですが、それでも非力なスレートや少し古いPCをクライアントにする場合、映像を滑らかにするために便利な機能です。
そういったこともあり、現在のSpinelでは、クライアントやBonDriver_Spinel毎にSpinel側でのスクランブル解除をする/しない を選択ができるようになっています。
① Spinel.ini にDescrambleControl = の指定 (2ならクライアントの要求に合わせてスクランブル解除・デフォルトは解除しない、3なら同じく、ただしデフォルトはスクランブル解除)
② BonDriver_Spinelxx.dll.ini に DesiredDescrambleControl = (0ならSpinelのデフォルトに合わせる、1ならスクランブル解除要求、2ならスクランブルされたまま送ってもらうことを要求)
以上の組み合わせで柔軟に、スクランブル解除をSpinel側に依頼する/しない を選択することができます。
(ただし、この節の冒頭にもありますが、Spinel側でスクランブル解除する機能を使うためは、\SpinelフォルダにB25Decoder.dllというモジュールを入れておく必要があります。過去にはW3U2の記事の中でその手順も解説していましたが、現状このモジュールの入手性が悪くなっているため、現在の当Blogのガイドではスクランブル解除の手段としてそれを使わない方法のみを解説しています。このモジュールはMulti2Decのパッケージか、一部のEDCBパッケージの中に入っていますので、やってみたい方はネットで探してみてください。)
5)SpinelはSpinelを呼び出せる
まあ、一段とマニアックな使い方かもしれませんが、こういう構成でも、またこの階層を何段に増やしても、Spinelはきちんと動作します。
このように同じ構成で何回もSpinelを通しても何のメリットもありませんが、例えば次の図のようにチューナを積んだ何台かのサーバを動かしている場合、
一旦サーバ1にSpinelでリダイレクトした上でクライアントからはサーバ1のSpinelだけを見るようにすれば、クライアントはサーバー1のアドレスさえ知っていればいいですし、チューナや各サーバのメンテ・構成変更があっても、クライアントの設定は何も変える必要がありません。
この構成の別のメリットとして、Spinel側でスクランブル解除をおこなう場合に、その処理をどこでおこなうかをチューナー毎に決められる(負荷分散ができる)、ということが挙げられます。
普通Spinel側でスクランブル解除させる場合、衛星系チャンネルでは負荷が重くなって、2,3チューナの同時処理でも限界、という事になりますが、この方法で負荷分散させれば衛星何チャンネルでも一括して、スクランブル解除済みのtsを家庭内配信できます。
また次の図は別の応用例ですが、
同じチャンネルの映像を多数のクライアントに配信する際、サーバを二段にして1台ごとのネットワーク帯域を節約しながら、ネズミ算式に配信先を増やす例で、Spinelで1対多の配信が可能であることを拡張した「家庭内Akamaiシステム」です。無線LANなど比較的細いLANを経由して2階で何人かで観たり、過去記事のように数十のクライアント画面でマルチ画面を構成する時に便利かもしれませんね。
下のほうでご紹介しているBCUD用修正済みSpinel定義体では、BonDriver_SpinelxxxをSpinelから使うための定義も追加してあります。ご興味あられる方は試してみてください。その場合 \Spinel\BonDriverフォルダに入れるときの BonDriver_Spinel のネーミングルールは、
「オリジナルのBonDriverの名前(例えばBonDriver_PX_W3U3_Tx、BonDriver_PT-Txなど)の "BonDriver" を "BonDriver_Spinel" に置き換えたもの」すなわち
BonDriver_Spinel_PX_W3U3_Tx、BonDriver_Spinel_PT-Tx など
となります。(更にもう1段以上Spinelを重ねる場合のネーミングルールは作っていませんが、地上波チューナー用に BonDriver_Spinel__PX_W3U3_Tx、BS/CSチューナー用に BonDriver_Spinel__PX_W3U3_Sx などを間借りして個数分並べれば良いと思います。)
なお BonDriver_Spinel は dll と dll.ini が必要ですのでその両方ともそのネーミングで\Spinel\BonDriverフォルダに、個数分入れてください。そうすれば、
この緑の枠内のように、SpinelVirtualTunerという仮想的なマルチチューナーデバイスとして、
"V/0/T/n"(地上波) "V/0/S/n"(BS/CS) のように識別されます。
まあ以上は一種の遊びですが、Spinelは単なるチューナの仮想化やネットワーク共有のソフトではなく、いろんな応用のキャパを持っている・かもしれない・という説明でした。
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1)まず前提として、マイクロソフトのランタイム類、および(Vista、XPの場合).NET Frameworkを導入します。これらはクライアント側PCにも必要になります。
.NET Framework 3.5 Service Pack 1
.NET Framework 3.5 SP1 Language Pack
.NET Framework 3.5 SP1 修正プログラム KB959209
(以上はWindows7では導入済です。またXP、Vistaの場合、「コントロールパネル-プログラムの追加と削除」を見て導入されていないようであれば、「Windows Update-重要な更新プログラム」から導入できます。個別に入れる時はこちらとこちらから。)
Visual C++ 2005 SP1 再頒布可能パッケージ (x86)
Visual C++ 2008 SP1 再頒布可能パッケージ (x86)
Visual C++ 2010 再頒布可能パッケージ (x86)
(以上は一度導入してあればOKですが、よくわからない場合はとりあえずここで再導入しても問題ありません。リンク切れしているときはググればすぐに出てきます。)
2)全体のファイル配置は以下のようになります。
このうち、
①PX-BCUDデバイスドライバーは、パッケージ付属の導入説明書の手順は間違っているので気にせず、BCUDをUSBに挿した状態で、CDの中にあるDrvInst32.exe(32bit OSの場合)またはDrvInst64.exe(64bit OSの場合)を実行してください。
うまく認識できれば、コントロールパネル-デバイスマネージャーで図のように表示されるはずです。
尚、PLEXのBCUDのホームページにも、6/9以降正しいデバイスドライバーがアップされていますので、そちらを使ってもかまいません。その場合は解凍した中のDriverフォルダの中身を使ってください。
③BonDriver_BSCS(PX-BCUD用)はこちらからダウンロードします。
⑥TvTestはこちらから最新版をDLし、適切な実行用フォルダ(以下、\TVTestフォルダとします)に解凍してください。
なお、最新版のTVTestでも中に入っているBS、CSチャンネルファイルは必ずしも最新ではありませんので、次の添付ファイルを「右クリック」→「対象をファイルに保存」でダウンロードして、\TVTest実行用ディレクトリに上書きコピーしておいてください。
(上記の名前のままでDLするように注意してください。ときどきブラウザが勝手に.txtという拡張子に改変してダウンロードしようとする場合がありますので、その場合は再度この操作をやり直して、拡張子が.ch2になることを確認してください。)
⑧TvRockは、TvRockなページより。最新バージョンをDL
http://1st.geocities.jp/tvrock_web/
注)TvRockなページに案内がされていますが、09u系のバージョンは7/24以降使用制限がかかってしまうバグがあったため、上記ページの最新版は実際はやや古めのバージョン09t8aとなっています。最新版にしたい場合は、リンク先のファイル置き場から「期限解除パッチ適用済みTvRock09u2(up0699.zip)」もダウンロード可能です。
DLしたファイルは適切な実行用フォルダ(以下、\TVRockフォルダとします)に解凍してください。
⑨TvRockOnTVTestは最新バージョン(2012/2月時点ではMod 9.1r2)を作者のかたのファイル置き場よりダウンロードします。
DL&解凍後、中にある「TvRockOnTVTest.ini」 と「TvRockOnTVTest.tvtp」の2つのファイルを、\TVTestフォルダの下の、\Pluginsフォルダ にコピーしておきます。
④Spinel と ⑦BonDriver_Spinel については、作者のホームページ(こちら)
から、最新版をDLしてください。5/24現在、それぞれver3.6.1.1 とver3.5.3.0 が最新版です。
④Spinelは適切な実行用フォルダ(以下、\Spinelフォルダとします)に解凍してください。
これにはまだPX-BCUDの定義体が含まれていませんので、加えて以下のファイルをDLしてください。
これを解凍した中身をフォルダ構造ごと、実行用\Spinelフォルダに上書きコピーしてください。具体的には図の2つのファイルを置き換える形になります。
また⑦BonDriver_Spinelは解凍すると、直下に BonDriver_Spinel.dll.ini 、x86フォルダの下に BonDriver_Spinel.dll がありますので、この2つを適切なフォルダに保存しておいてください。
②PX-BCUD用BonDriverのラッパー(Wrapper)
これが今回有志の方が作成したもので、PX-BCUDをSpinelで使うための肝になります。
こちらの一覧の中から該当のものを探して(5/24現在up0945.zip)DLしてください。
上記リンク先が機能していない場合の一時待避所を置いておきます。→「BonDriver_BSCS_Wrapper.zip」をダウンロード
展開すると中にBonDriver_BSCS_Wrapper.dll(Wrapper本体)、BonDriver_BSCS_Wrapper.ini(BonDriver本体のファイルをポイント)の2つのファイルが入っていますので、適切なフォルダに保存しておいてください。
このWrapperを使うことによりSpinelでPX-BCUDが使えるようになりますが、それだけではなく、BCUDのクセの強いチャンネルマップ(例えばTVTestのチャンネルスキャンの時、BSではプリセット値を使えない、BSのスターチャンネル2,3を余分に拾ってしまう、など。)を、ノーマルなものに再マップしてくれますので、TVTestでBSのプリセット値も使えるようになります。
ただし若干のクセは残っていますので、BonDriverxxx.ch2 ファイルをそのまま他のチューナーからコピーすると、やはりBSのチャンネルマップはおかしくなります。チャンネルスキャンは(プリセット読み込みだけで良いので)必ずおこなってください。
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3)②ラッパー&③BonDriverと④BonDriver_Spinelの配置、iniファイルの調整
-BonDriver_BSCS_Wrapper.dll とBonDriver_BSCS_Wrapper.iniは \Spinel\BonDriver フォルダに置きます。BCUDが1個のみの場合はそのままの名前でもよいのですが、増やす時のことも考え、サフィックス0を付けた
BonDriver_BSCS_Wrapper0.dll
BonDriver_BSCS_Wrapper0.ini
にリネームしておいてください。
BCUDを2個、3個と増やす場合は、コピーして0を1、2と変えたものを同じフォルダに加えていきます。
次にBonDriver_BSCS_Wrapper0.ini をテキストエディタで開き、内容を以下のように書き換えてください。
[BonDriver_BSCS_Wrapper]
Driver=BonDriver\BCUD\BonDriver_BSCS0.dll
これもBCUDを2個、3個と増やす場合は、それぞれ中の
・・・・・BonDriver_BSCS0.dll
の記述を
・・・・・BonDriver_BSCS1(あるいは 2).dll
に書き変えていきます。
- \Spinel\BonDriver 下に \BCUD というフォルダを作成してください。この\Spinel\BonDriver\BCUD フォルダに、③BonDriver_BSCS.dllに0のサフィックスを付けたもの
BonDriver_BSCS0.dll
を置きます。
(これも、BCUD2個、3個と増やす時は、BonDriver_BSCS1.dll、BonDriver_BSCS2.dllのようなネーミングにしたものを加えていきます。)
なお、PX-S1UDをこれに加える時は\Spinel\BonDriver フォルダーに、専用BonDriver の BonDriver_Siano.dll にサフィックスを付けたもの(BonDriver_Siano0.dll、BonDriver_Siano1.dll など)を個数分加えていきます。
以上が終わったら、一旦\SpinelフォルダにあるSpinel.exeをダブルクリックして起動し、すぐに終了させてください。これでSpinel.iniというファイルが作成されます。これをテキストエディタで開き、該当箇所が以下のようになっていることを確認して(そうでないようであれば上書きし)、保存します。
DescrambleControl = 0
.
-BonDriver_Spinel関連の2つのファイル
BonDriver_Spinel.dll
BonDriver_Spinel.dll.ini
は、PX-BCUD用であることが判るように、以下のようにリネームしてください。
BonDriver_Spinel_BSCS0.dll
BonDriver_Spinel_BSCS0.dll.ini
これを、\TVTestフォルダの中にコピーしてください。
もし2個目、3個目のPX-BCUDを加える時は、サフィックスを1,2としたもの(BonDriver_Spinel_BSCS1.xxx、BonDriver_Spinel_BSCS2.xxxなど)を同じフォルダに加えていくことになります。
次に、BonDriver_Spinel_BSCS0.dll.ini をテキストエディタで開き、該当のところを以下のように修正して保存します。
TunerPath = "PXBCUD/0/S/0"
RequireExclusiveChannelControl = 0
DesiredDescrambleControl = 0
これらのパラメータの説明は、この記事の前のほうにあります。これも2個目、3個目のBCUDを使うときは、それぞれの BonDriver_Spinel_BSCSx.dll.ini ファイルの TunerPath = の指定を、 "PXBCUD/1/S/0"、"PXBCUD/2/S/0" のように変えていくことになります。
Spinel経由でPX-S1UDを使う場合も同じです。BonDriver_Spinel関連の2つのファイルを
BonDriver_Spinel_Siano0.dll
BonDriver_Spinel_Siano0.dll.ini
のようにリネームして\TVTestフォルダに加えていき、iniファイルの中も上記と同じように編集、ただし ini ファイル中で
TunerPath = "PXS1UD/0/T/0"
のようにして、S1UDのデバイス識別を指定してください。2個目以降ではこれがPXS1UD/1/T/0、PXS1UD/2/T/0 のようになっていきます。
4)カードリーダ、BCASカードを使用するPCにセットしてください。
もし既にPX-W3Ux、S3Ux,W3PE等のPLEXチューナを同じPC上でお使いでしたらリンク先の手順で内蔵カードリーダ&カードが共用できますし、BonCasLinkを使えば他PCで使っているBCASカードを共用することも可能です。なお、netcasなど代替のwinscard.dllを使う場合は \TVTest フォルダにそれを入れるだけで、それ以外上記のいずれも不要です。
5)以上で必要なファイル等の配置は終わりです。
ここからTVTest、TVRockの設定に入りますが、基本的な手順はリンク先以降のW3U2の手順とほぼ同じですので、そちらを参照いただければ十分だと思います。(端折ってすみません^^;)
ただしTVRockのDTune.batによる設定では、
●チューナ個数を実際に使う個数に合わせる。
●W3U2の手順だと「地上波」→「BS/CS」→「地上波」→「BS/CS」の順に定義していますが、今回使うチューナ種別に合わせて任意の順に設定していってください。
●チューナー初期設定では、
「チューナータイプ」をBS/CS
「実行アプリ名(視聴用)」をtvtest.exeとし、オプションに
/d BonDriver_Spinel_BSCS0.dll /DID A
を入力。
「実行アプリ名(録画用)」もtvtest.exeとし、オプションに
/d BonDriver_Spinel_BSCS0.dll /min /nodshow /DID A
以下
-2個目以降の定義ではBonDriverのサフィックスを1,2・・ DID xのxをB,Cと変えて行く
-S1UDでは「チューナータイプ」を地上波デジタルとし、オプションのBonDriverはBonDriver_Spinel_Siano0.dll等を指定
以上のように読み換えていっていただければと思います。
また、当記事では「少ないチューナーを仲良く共有する」という発想で、Spinelの「排他的チャンネルコントロール」は設定していません(RequireExclusiveChannelControl = 0 としています)が、TVRockで録画にチューナを使う場合、(上のほうで解説している通り)TVRock側にチャンネル優先権を持たせないと、録画中のチャンネルをうっかり切り替えてしまう、というミスが起きえます。
それを避けるために、TVRockで使うチューナーについては、TVRockが使うTVTest環境で
BonDriver_Spinel_BSCSx.dll.ini に
RequireExclusiveChannelControl = 1
を指定してください。
ただしこのTVTest環境をそのまま視聴にも使うと、そちらもチャンネル優先権を持つため競合して、録画ミス がやはり起きえます。その辺も綺麗に解決するために、リンク先のW3U2の設定手順の中に、「TVRockで使うTVTest環境とは別に、視聴用のTVTest環境を作る」という手順がありますので、そちらもぜひご参照ください。
このPCで視聴したり予約録画するための設定は、これで完了です。
まで進めれば、設定は終わりです。
6)他のPCからSpinel経由でTVを視聴/予約録画する方法
これも、ほとんどW3U2の手順が使えますので、リンク先を参照して設定していってください。(リンク先にあるBonCasLink周りの設定も、netcasなど代替のwinscard.dllを使う場合以外は、クライアントPCでの視聴のために必要になります。)
以上、ちょっとかけ足でしたが、ご参考にしていただければと思います。いろいろ書きながら気づいた点、端折った点などは、後日また追加していこうと思います。
Spinelを使った画面イメージはこんな感じになります。もちろん実際のTV画面はLAN上のいろいろなクライアントに映すことになります。
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