脳神経の中で特定の神経回路だけを狙い撃ちして死滅させる方法を、京都大霊長類研究所(愛知県犬山市)の高田昌彦教授らの研究チームがサルへの実験で開発、パーキンソン病などに関わる部位への使用に成功したと、26日、米科学誌電子版に発表した。
高田教授は「パーキンソン病など特定の神経回路の活動異常で起きる神経疾患や精神疾患の治療に新たな選択肢が生まれる可能性がある」と話している。
パーキンソン病など神経疾患の遺伝子治療を行うには、病気に関わる特定の神経回路を除去したり、遺伝子を導入したりする方法が有効とされている。しかし神経細胞は複雑に絡み合って回路を形成しているため、これまでは特定の部位に遺伝子を注入すると、ほかの回路にも影響し、副作用が出ることがあった。
研究チームは、細胞死を引き起こす化学物質の受容体に変わるタンパク質を含む特殊なウイルスを開発。サルへの実験で、脳神経末端の一つにウイルスを、回路でつながった細胞体に化学物質をそれぞれ注入すると、その神経回路だけを死滅させることができた。
チームはこの方法を用いて、パーキンソン病などの発症に関係する、脳の奥深くにある大脳基底核という部位で、視床下核にウイルスを、運動を制御する大脳皮質の領域に化学物質を注入した。その結果、2カ所をつなぐ「ハイパー直接路」と呼ばれる回路だけを死滅させることに成功したという。〔共同〕
高田昌彦
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