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【千葉】

“コンビニ受診”抑制図る 成田赤十字病院 導入済みで効果も

 もしも軽症だったら、五千二百五十円が診療費に上乗せに−。休日や夜間の救急外来に限ってだが、旭市の国保旭中央病院で八月から、こんな加算制度が始まる。なぜ、こうした制度を導入するのだろうか。 (宇田薫)

 Q 上乗せ料金を払わなければならない理由は?

 A 病院の救命救急センターには昨年度、約六万人が受診したけれど、二割程度は風邪や腹痛といった軽症患者が含まれていたようだ。医師が減っていることもあって、重い患者のケアという本来のセンターの役割が脅かされている。

 Q 患者に来ないでと言っているみたい。

 A 軽い症状の人はまず、地元のお医者さんに行ってくださいね、という趣旨だ。一刻を争う患者のケアに当たるセンターで、「コンビニ受診」で軽症者の受診が過度に集中するのを抑制するのが狙いだ。

 Q どういう場合に上乗せされるの?

 A 例えば具合が悪くなって、救急外来を受診する。医師が問診して「緊急性がない」と判断した場合、五千二百五十円が診療費にプラスされる。

 Q 子どもは事前に重症か、軽症か親は分からない。

 A だから、十五歳未満の子どもは適用外になる。旭市には夜間や休日に当番医が発熱、軽度のけがなどを診る一次救急体制がないため、旭市民も適用外だ。他の病院の紹介状がある人も加算の対象にならない。

 Q 五千二百五十円は高すぎない?

 A 厚生労働省によると、全国で二百三十三の医療機関が同じ制度を導入している(一〇年七月現在)。金額は病院の管理者が自由に決められ、最高で一万円というところもある。県内では成田赤十字病院(成田市)も二〇〇九年に導入済みで、旭中央病院は同じ五千二百五十円に倣ったそうだ。

 Q 成田赤十字は導入後、どうなの。

 A 年間約三万五千人だった救急患者が一万人減った。入院を必要とした患者は横ばいで、軽症者が減ったという。旭中央病院では今後、加算の適用方法を具体的に詰めるが、医師によって「軽症」判断にばらつきが出ないようになど、慎重に進めるつもりのようだ。

 

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