ダイヤモンド社のビジネス情報サイト

人事評価に対する過剰な期待

 この会社の人事評価制度のどこがおかしかったのでしょうか。

 それは、人事評価をモチベーションアップの仕組みと勘違いしたことです。
(実はこの会社にはもう一つ、個人面接への頼り過ぎという問題もありますが、それは次回以降で説明します)

 人事評価とは人事考課やボーナス査定と呼ばれるものであり、従業員の会社への貢献度の優劣を判定する作業です。
  判定だけではありません。貢献度にもとづいて、賃金や処遇に差が付きます。

 だから、きちんと働いてくれ。働きぶりが良好ならば、ほうび(アメ)を取らす、ダメならば、ペナルティ(ムチ)が待ってるぞ。

 それが人事評価という仕組みです。

 そういう「ムチを伴った動機づけ(ヤル気の喚起)」の仕組みを、働く人々はどのように受けとめるでしょうか。

 おそらく、積極的にアメを獲りに行く人はごく少数の、自他ともに認めるやり手社員だけであり、大多数はムチを避けようとするのではないかと思います。

 もちろん、誰だってアメはほしい。しかし、そのためには、気の遠くなるような努力が待っていて、そんなしんどいことは、できれば避けて通りたい。
  かといって、強烈なムチで叩かれたのではたまらない。なんとか、普通評価は取りたいものだ。

 普通の人はそう考えるのではないでしょうか。

 これは、人事評価が積極的な動機づけ策としては機能せず、ペナルティがもたらす恐怖から逃れるために、恐怖を感じない程度に頑張るという効果しか望めない仕組みだということを意味しています。

 人事評価に、過剰なモチベーションアップの期待を抱くことは禁物なのです。

previous page
4
nextpage
Special topics
  • 第1回 目標管理は、なぜ嫌われるのか? (2012.06.26)
ダイヤモンド・オンライン 関連記事
大富豪アニキの教え

大富豪アニキの教え

兄貴(丸尾孝俊):著

定価(税込):1,680円   発行年月:2012年6月

<内容紹介>
「このままの自分で、一生を終えたくない」と思うたら、読んでみてや。この本はな、無一文から大富豪になる方法が書かれた99%実話の小説なんや(byアニキ)。年収290万円、31歳ダメリーマンの鈴木一郎(いっちゃん)が、バリ島に住む世界レベルのウルトラ大富豪アニキの存在を知り、アニキに「教え」こいにいく。

本を購入する

DOLSpecial



underline
ダイヤモンド社の電子書籍
(POSデータ調べ、6/10~6/16)



昨日のランキング
直近1時間のランキング

五十嵐英憲 [五十嵐コンサルタント(株)代表取締役]

1969年早稲田大学商学部卒。資生堂、リクルートを経て、教育コンサルタントとして独立。現在、五十嵐コンサルタント(株)代表取締役。(株)自己啓発協会インストラクター。専門分野はMBO-S(目標管理)研修やマネジメント・システムの構築支援活動。セミナー受講、講演受講者はのべ10万人超。著書に『個人、チーム、組織を伸ばす 目標管理の教科書』(ダイヤモンド社)などがある。


個人、チーム、組織を伸ばす 目標管理の教科書

「目標管理」は人事考課の道具じゃない! ドラッカーが提唱した「部下のヤル気を引き出し、業績を伸ばす」という、本当の目標管理(MBO-S)の実践法を解く。

「個人、チーム、組織を伸ばす 目標管理の教科書」

⇒バックナンバー一覧