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ほぼ日手帳2012 spring
明るくて、負けずぎらい。
 

今日のダーリン

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・<夢としての野良猫。>

 たしかに、だれにも飼われていない猫は、
 いまもいるのだけれど、それは夢としての猫だ。

 夢としての野良猫。
 雨に濡れることも自由。
 食べものにありつくことも自由。
 戦って傷だらけになることも自由。
 恋をしてこどもをつくることも自由。
 クルマにひかれて
 道路のまんなかで平らになることも自由。
 人間たちに敵愾心を抱くことも自由。
 
 夢としての野良猫。
 しかし、夢のように猫は生きていても、
 人と街は、夢のようには生きてはいない。
 猫たちは、母のように夢を包み込んでくれる現実に、
 保護されて暮らすことになった。
 猫たちは、感謝をおぼえ、空腹を忘れた。
 
 それでも、夢としての野良猫が街を走っている。
 夢としての野良猫が、食べものを奪い、
 人たちを睨みつけ、激しく恋をし、争っている。
 憐れむものに牙を見せ、救おうとするものから逃げる。
 それは、まるで夢のような存在だ。
 それは儚く消えそうな小さな赤い炎だ。
 
 夢としての猫がいることで、
 街は夢のいる場所を保っているのだけれど、
 いつまでもこのままであるとも思えない。
 
 野良猫に憧れるんですよなんて、
 弱々しい青年が言ったとさ。
 クルマにひかれて平らになるって覚悟もないのに、
 ことばとしての夢だけを追いかけている。
 夢としての野良猫は、人たちの目を盗み、
 塀に爪をかけ、なにかから逃げている。
 夢としての人間は、なにをしているのだろうか。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
夢ってものはさ、なかなかワイルドで危険なものだぜぇ〜。

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